【生産性向上】タナベ経営生産性カイカク研究会様からセミナー講師として選んでいただきました
皆さんこんにちわ!愛知県西尾市エムアイシーグループの三浦です♪
今回は、なんと当社がセミナーの講師として選ばれた!?というお話です。
ご依頼いただいたのは上場企業でもある株式会社タナベ経営様の「生産性カイカク研究会」という生産性向上を勉強するためのグループの方々からです。
僭越ながら、当社が、働き方改革と生産性向上を図るために行ってきた残業削減の取り組みや、工場の改善活動などを紹介させていただきました。
大変光栄であります。大変緊張致しました。
●残業時間は約2年で50%減、約3年で65%減少させました。
●そんな中でも頑張ってなんとか経常利益率や、売上対加工高比率(※)を向上させてきました。
●その活動の一部をブログでもご紹介させていただきます!
(※)加工高 = 売上 ー 外注費 + 原材料費。付加価値額とか、限界利益と呼んでいる企業様もみえます。
必要性がどんどん高まる「働き方改革」と「生産性向上」
今回、本講演にて話をして欲しいと言われたのは当社の生産性改革や、働き方改革についてです。
私が約4年前に社長を交代してから行ってきたことや、それを現場レベルでどう実行したのか製造部長、工場長代理にお話しして欲しいとのことでした。
●「残業」=「美、努力、評価高」
近年、急激に、日本の労働環境は変わりつつあります。
例えば残業についての考え方。
私が社会人になったほんの10年くらい前でも「残業」=「美、努力、評価高」と言われていました。
残業は美しいものであって、努力している証拠であって、残業すればするほど評価も高いという印象がありました。
「上司が部下よりも先に帰る」=「管理が出来ていないからダメだ」と言われていたり、徹夜したりどれだけ遅くまで働いていたかという話がステータスにもなっていたり、「もう〇〇連勤で休みが全然ないよー」という会話がよく聞こえてきました。
例えば、日本全体の景気が良く「自分のいる業界全体が右肩上がりに良くなっている」とか、「ベンチャー企業で今こそ多くの時間を仕事にかけるべきだ」とか、そういった環境の中ではこれも正解だったのかもしれません。
そうした環境下で働いていた結果、平成元年では、企業の時価総額ランキングで日本企業が世界トップ50社のうち32
社を占めていた!ということも事実です。
これはほんの30年前の話ですので、今の50代~60代くらいの方々がバリバリと前線で仕事をしていた時の話です。
しかし、時代は変わってしまいました。
●年々必要性の高まる働き方改革と、生産性向上
今は、日本の景気もそこまでよくありません。右肩上がりの企業はいても、右肩上がりの業界はほんの一部のみ。
労働生産性が日本は欧米諸国に対して低いというデータが出てきたり、政府は大きく働き方改革を企業に求め出しています。
政府が求める働き方改革は例えば以下のような内容です。
・時間外労働時間の上限規制
・有休休暇の確実な取得
・不合理な待遇格差の禁止
過労死が起こったや、待遇格差の判例などがテレビや、ニュースでもとりあげられたり、多くの場面で見るようになりました。
大企業では早くに改善の取り組みがなされはじめ、中小企業であっても働き方改革法案が2020年4月1日から既に適用されています。
これから就職先を探す就活生たちも、労働環境をとても気にしています。
残業が多い、休日出勤が多い、有給休暇が取れないといった企業は選ばれにくくなってきています。
労働環境が悪い会社はどんなに業績が良くても人が集まらず後継者不足、人員不足に悩まされてしまいます。
中小企業であっても、働き方改革や、生産性向上は無縁ではなくなってきているのです。
しかし!
逆にいえば、取り組む企業がまだまだ少ないのであれば、残業を減らし、休みを増やし、有給休暇をとれる環境さえ整えてあげれば人が集まる会社が作れるという事だと思われます!!
残業時間が2年で約半減!
そんな時代の中で、私は約4年前(2017年9月)に先代から引き継ぎ社長になりました。
印刷会社や、広告代理店業は本当に残業が多い業界です。私自身も社会人1年目の時はバリバリと徹夜しておりました。
しかし、先ほども述べた通り、時代が変わっていっているのを肌で感じておりましたし、業界規模も縮小されてきている中で、とにかく足で稼いで拡大を目指す!という事には疑問を抱いておりました。
社長になったらまずは会社の働き方改革、生産性改革をすべきだと思いはじめ、社長交代を機に、様々な取り組みを始めてみたのです。
●残業時間が2年で約半減!
先に結果をお伝えしておきますと、取り組みはじめて約2年で残業時間は半減しました。
元々全社の平均残業時間は月に40時間前後というのが例年でしたが、2018年ごろから取り組みを始め、2020年をまたぐ当社の29期には月に20.08時間まで減らすことが出来ました。
まだ、30期は締まっていませんので結果はわかりませんが、おそらくさらに減った数字になると思われます。
コッター教授の組織改革のための8段階のプロセス
●やるべきことがたくさんありすぎて
残業削減や、生産性向上のために様々な取り組みをしよう!と考えてはいましたし、そのためのアイデアもいくつか貯めてありました。
しかし、やることがたくさんありすぎて、一体何から始めたらよいのだろうとか、スタートして変わらなかったら嫌だなと考えたりして、足踏みしてしまっている時期もありました。
そこで、出会ったのが、「コッター教授の組織改革のための8段階のプロセス」という考え方でした。
●コッター教授の組織改革のための8段階のプロセス
1:危機意識を高める
2:変革推進のための連帯チームを築く
3:ビジョンと戦略を生み出す
4:変革のためのビジョンを周知徹底する
5:従業員の自発を促す
6:短期的成果を実現する
7:成果を活かして、さらなる変革を推進する
8:新しい方法を企業文化に定着させる
これはとても有名な資料です。リーダーシップ論で有名なジョン・P・コッター(John Paul Kotter)という方が唱えた組織改革を行うための順番について書かれたものです。
まずは「危機意識を高める」ことからはじめてみました。
危機意識を高めるための大義名分、グループディスカッション、個別面談
働き方改革、残業削減を推し進めようとしていた時によく以下の事を言われました。
●上の世代からは・・・・
「そんなのやる意味ある?」「別に早く帰りたくない」「若手の仕事が遅いから」「しょうがない」
●若手からは・・・・
「雰囲気を変えて欲しい」「早く帰りたい」
大事であると言われる「危機感」は特に感じられませんでしたし、世代間や部門間でもギャップが多くあるように感じました。
そこで行ったのはまず3つ。
★大義名分をしっかりと伝える ~なぜ早く帰る必要があるのか~
★グループディスカッション ~グループを様々組んで意見交換でギャップを埋める~
★特に残業の多い人には個別面談 ~改めて個別に必要性をしっかりと伝える~
★大義名分をしっかりと伝える ~なぜ早く帰る必要があるのか~
まずは、時代が変わってしまった。国の施策もあり、企業は中小含めて「変わらなければならない」。
さらに、今は人材が集まりにくいです。みんなで「人が集まる会社」にしないと後々大変なことになる。
「これからのスゴイ人はやるべきこと(売上利益達成)をしつつ早く帰れる人だ!」
このようなことを全員に伝えていきます。
★グループディスカッション ~グループを様々組んで意見交換でギャップを埋める~
「残業削減をなぜしないといけないのか」「何が課題になるか?」「どんな手法が考えられるか?」「自分たちで出来ることはあるか?」などなど、テーマとメンバーを変えて数回繰り返し行いました。
★特に残業の多い人には個別面談 ~改めて個別に必要性をしっかりと伝える~
「好きにさせてくれ」「自分がチェックしたんで」「しょうがない」「こうゆうもんですよ」を一人ずつ、一つずつ解消していきます。
こうした事を繰り返していくうちに、少しずつですが、社内の雰囲気が変わっていったように思います。
上の世代からも「そうだよね早く帰らないといかんよね。」
若い世代からも「皆で早く帰るためにコレ手伝いますよ。」
こういった声が聞こえはじめてきました。
それから・・・
それから・・・
連帯チームを築くために上司の評価を課員の業績にしたり、自発性を促すためにグループディスカッションで出たアイデアの「定時になったらホタルの光を流す」を採用したり、手書きの日報を廃止したり、過剰なチェック作業を軽減したり、具体的な目標残業時間を設定したり、設備の見直しをしたり、組織編制を変えたり・・・・・
さらに、経営計画を作る上でのスローガンは「肉体改造だ!!」として1年以上かけて本気で取り組む姿勢を示していったのです!
少しずつ、少しずつ、会社の雰囲気も変わり、年間平均40時間/月だった残業時間も、今では20時間を大幅に切っています!
売上はコロナ禍もあり落ちた部分もありますが、売上対加工高比率も約4%改善!
経常利益も以前よりも安定して出せるようになっていったのです!
最後に
いかがでしたでしょうか。
コッター教授の組織改革のための8段階のプロセスも特に<1>:危機意識を高める<2>:変革推進のための連帯チームを築く<5>:従業員の自発を促すの3つが大事なように思います。
ブログでは全てをお伝え出来ませんが、様々な苦労と、従業員みんなの協力のもとで成果は出せたように思います。
そんな中で、去年からはコロナ禍に見舞われ、多くのイベントが中止になり、影響も未だ計り知れませんが、従業員一度知恵を振り絞って乗り切っていきたいと思います!!
今後ともエムアイシーグループをどうぞよろしくお願いします!
ご清聴ありがとうございました。
●タナベ経営さんの生産性カイカク研究会について詳しくはコチラ
https://www.tanabekeiei.co.jp/t/lab/productivity.html
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