まずこれを読めば全体がつかめる!多すぎるマーケティング分析を整理&やさしく解説!
こんにちは!
愛知県西尾市エムアイシーグループ サポートチームの山口です^^
「マーケティングについて調べだしたら、知らない言葉ばかりで頭が混乱してきた…」
そんな経験はありませんか?
4P分析、STP分析、SWOT分析、3C分析、PEST分析、5フォース分析…。
気がつけば英語とカタカナがずらっと並び、「結局どれを使えばいいの?」と迷ってしまいますよね。
私もまったく同じ気持ちになったことがあります。
でも実は、マーケティングは流れに沿って分析を整理するだけで、驚くほど分かりやすくなります。
今回はマーケティングを4つのステップに分けて、「どの段階でどの分析を使うのか?」を初心者の方にも分かりやすくまとめました。
目次
1.マーケティングとは
2.マーケティングはたったの4ステップで整理できる
①調査・分析(市場や自社を知る)
②戦略立案(誰に何を届けるか決める)
③施策構築(具体的戦略の立案)
④プロモーション(伝える・広める)
マーケティングとは
辞書ではこのように説明されています。
企業活動における「売れる仕組みの構築」に関する活動の総称である。市場と顧客の需要を明確にし、それに基づき商品を作り、商品の存在を広く知らせつつ需要を喚起し、そして顧客の需要を満たし、最終的に自社の利益にも繋げる、といった一連の戦略的な企業活動の総体である。 ― 実用日本語表現辞典 より
日本マーケティング協会では、下記のように説明されています。
顧客や社会と共に価値を創造し、その価値を広く浸透させることによって、ステークホルダーとの関係性を醸成し、より豊かで持続可能な社会を実現するための構想でありプロセスである。 ― 日本マーケティング協会サイト より
つまりマーケティングとは、商品をより良く届けるために、状況を言語化し整理していくことなのです。
そして、その整理を助けてくれるのが「3C分析」「STP分析」「4P分析」などの分析フレームワークです。
マーケティングはたったの4ステップで整理できる
マーケティングの本質はとてもシンプルです。
分析の名前が複雑なだけで、流れはこの4ステップしかありません。では、それぞれのステップでどんな分析を使うのかを見ていきましょう。
①調査・分析(現状を知るステップ)
最初にするべきは、「市場を知る」「競合を知る」「自社を知る」 という土台づくりです。
ここが曖昧なまま進むと、後の施策がズレてしまうのでとても重要なステップです。
■この段階で使う主な分析
外部環境分析
PEST分析(ペスト分析)
政治(Politics)・経済(Economy)・社会(Society)・技術(Technology)という4つの視点から、世の中の流れや変化を整理する分析です。
事業の意思とは異なる、自社ではどうしようもないけれど、確実に影響してくる外部的要因を把握することが重要です。
注意するべきは、情報量を対象事業に深く関係したことに絞ることです。
| 項目 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| P:政治的要因 | 法改正・税制など | ・消費税増税(8%→10%へ) ・個人情報保護法の強化 |
| E:経済的要因 | 景気や為替など | ・補助金や助成金 ・急激な円安 |
| S:社会的要因 | 人口動態やライフスタイルの変化など | ・少子高齢化 ・新型コロナウイルスによる外出自粛 ・通販需要の増大 |
| T:技術的要因 | 特許や新技術開発など | ・生成AIの普及 ・無料動画編集アプリの普及 |
5フォース分析
業界の競争状況を知るための分析手法です。自社が参入している業界が戦いやすい場所なのかを5つのフォース(force=力≒脅威)から整理します。
| 脅威 | 驚異の内容 | 分析内容(例) |
|---|---|---|
| 競合他社 | 価格やコストで争うことの多いライバル企業 価格競争により利益率が低下します。 |
・競合他社の数 ・資金力 ・知名度 ・ブランド力 ・シェア率 |
| 買い手 | 直接の顧客やエンドユーザー 供給過多や情報の豊富さなどから、顧客の交渉力が強くなると値下げ競争が始まり利益を圧迫します。 |
・市場規模と顧客数 ・取引割合 ・顧客の購入判断基準 ・切替コスト |
| 売り手 | 製品や部品など事業活動に必要な資材・資源を調達する仕入先 仕入業者の減少や資材の重要性によっては、仕入先の交渉力が強くなり利益を圧迫します |
・供給業者数 ・独占技術の有無 ・自社との関係性 ・切替コスト |
| 代替品 | 製品やサービスの代わりになる可能性のある製品・サービス 代替品の参入により、現在の製品やサービスが不要になる恐れがあります。 |
・製品/サービスの質の違い ・市場成長率 ・切替コスト ・コストパフォーマンス |
| 新規参入 | 新しく業界に参入する同じような製品・サービス 新製品・新サービスの参入により、業界構造が一気に変化する可能性があります。 |
・市場規模 ・市場成長率 ・差別化の状況 ・参入者の技術レベル ・ブランド力 ・資金力 ・法規制等の有無 |
事業分析
3C分析
「顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」の3つを整理する、もっとも基本的なフレームワークです。
分析成功の秘訣はいかに「顧客目線」になれるか。そのため、顧客→競合→自社の順に分析しましょう。
| 顧客 (Customer) |
・デモグラフィック情報…年齢・居住地・収入・職業など ・サイコグラフィック情報…商品を探すときの状況や心理など |
| 競合 (Competitor) |
・直接競合…同じような商品やサービスで顧客ニーズを満たす競合 ・間接競合…異なる方法で顧客ニーズを満たす競合 |
| 自社 (Company) |
・強みと弱み ・独自性 ・リソース(資源) 顧客アンケートやインタビューを実施しても良い |
SWOT分析(スウォット分析)
強み(Strength)・弱み(Weakness)・機会(Opportunity)・脅威(Threat)の4つの視点から、自社の現状を整理するためのフレームワークです。
「内部環境(自社)」と「外部環境(市場・社会)」を整理し、戦略の方向性を決めるまとめ作業としてとても使いやすい分析方法です。
| 4つの視点 | 環境 | 例 |
|---|---|---|
| 強み (Strength) |
内部環境 (自社) |
他社と比べて優れている部分・顧客から選ばれる理由 ・企画力/デザイン力/技術力などの独自資産 ・サービス対応が早い ・業界内での信頼や実績がある ・価格競争力がある |
| 弱み (Weakness) |
内部環境 (自社) |
他社と比べて劣っている部分・改善すべき項目 ・認知度が低い ・仕組み化が不十分 ・担当人員が少ない |
| 機会 (Opportunity) |
外部環境 (市場・社会) |
市場の変化などによって生まれたチャンス ・業界全体の需要拡大 ・補助金/助成金制度 ・流行/トレンド ・価値観の変化 |
| 脅威 (Threat) |
外部環境 (市場・社会) |
事業に悪影響を与える可能性のある要因 ・競合の増加 ・市場縮小 ・原価の高騰 ・法改正/規制の強化 ・顧客の行動変化 |
4つを掛けあわせるクロスSWOT分析を使えば、整理した内容が次の戦略立案ステップでそのまま材料になるのでオススメです。
| 強み (Strength) |
弱み (Weakness) |
|
|---|---|---|
| 機会 (Opportunity) |
成長戦略 伸ばすべき施策 |
改善戦略 機会を活かすための改善 |
| 脅威 (Threat) |
防衛戦略 脅威への対抗策 |
回避戦略 リスクを最小化 |
■このステップのゴール
- 市場や競合、自社の立ち位置が分かる
- ターゲット選定や商品企画に必要な情報が揃う
- 「今どんな状況にいるのか?」が明確になる
②戦略立案(誰に何を届けるか決める)
調査が揃ったら、いよいよ戦略フェーズです。
ここではターゲットとポジション(立ち位置)を決めていきます。
■この段階で使う分析
STP分析(エスティーピー分析)
マーケティング戦略は、このSTP分析が軸になると言っていいほど重要です。
- S:セグメンテーション
- T:ターゲティング
- P:ポジショニング
この3単語の頭文字を取ったマーケティング分析手法で、「市場を理解し」「誰に」「どんな価値を」届けるかを明確にするための分析です。
| 作業 | 基準・視点 | |
|---|---|---|
| S:セグメンテーション | 市場を細かく分ける →似たニーズを持つ人同士をグループ分け |
・デモグラフィック情報 ・サイコグラフィック情報 ・行動特性 ・顧客課題 |
| T:ターゲティング | 狙う市場を選ぶ →どこに集中してアプローチするか決める |
・市場規模 ・リーチのしやすさ ・価値提供のしやすさ ・競合状況 |
| P:ポジショニング | 自社の立ち位置を確認して、選ばれる理由をつくる →自社の強みを明確化し、ターゲットにどう映るかを決める |
・ターゲットが求めていること ・競合が提供している価値 ・差別化のポイント |
STP分析をすると、プロモーションに必要な言語化がとても簡単になります。
- キャッチコピーがつくりやすい
- 説得力のある企画書が書ける
- 広告の訴求が明確になる
- 商品のコンセプトがブレなくなる
- ターゲットがはっきりするため広告費のムダが減る
STP分析は、プロモーション活動のすべての軸になる超重要分析であることを覚えておきましょう。
ターゲット×提供価値×独自優位性
この3つを掛け合わせることで、「誰に、どんな価値を、どんな強みで届けるのか」がブレなくなります。
マーケティングの目的は「売れる仕組みをつくること」ですが、そこで最も重要なのが伝える言葉(プロモーションの軸)を決めることです。その軸を作るのが、この「ターゲット×提供価値×独自優位性」の3要素です。
■このステップのゴール
- 「誰に向けた商品/サービスなのか?」がはっきりする
- 競合とどう差別化するか決まる
③施策構築(具体的戦略の立案)
ターゲットが決まったら、「実際の形」をつくる段階。
ここで活用するのが4P分析と4C分析というフレームワークです。
■この段階で使う分析
4P分析
企業視点で4つの項目を整理するフレームワークです。
- Product(プロダクト|商品)
- Price(プライス|価格)
- Place(プレイス|流通・販売の経路・手段・媒体)
- Promotion(プロモーション|宣伝・広告)
| 内容 | ポイント | |
|---|---|---|
| 商品 (Product) |
何を売るか 商品そのもの サービス内容 ブランドコンセプト デザイン 品質・保証 アフターサービス |
提供価値まで考える 商品機能だけでなく 「顧客がなぜそれを欲しがるのか」 という価値まで考える |
| 価格 (Price) |
価格設定 価格帯 割引条件 決済方法 |
下記のバランスをみる ・原価 ・競合価格 ・顧客の受容価格 (高いと感じるか、安いと感じるか) ・ブランド戦略 (高級路線、お手頃路線) |
| 流通・販売の 経路・手段・媒体 (Place) |
どう届けるか 販売経路 配送方法 保管 導線設計 |
買いやすい状態になっているか ・ECサイト ・問合せの便利さ ・店頭での受取 ・即時受注 など流通経路は多様化している |
| 宣伝・広告 (Promotion) |
どう知ってもらうか 広告 SNS運用 展示会 チラシ・DM ランディングページ・WEBサイト |
「ターゲット」×「提供価値」の明確化 |
この4P分析とあわせて活用できるのが、4C分析です。
4C分析
4C分析は、4P分析と同じ内容を「顧客目線」で考え直すフレームワークです。
- Customer value(カスタマーバリュー|顧客価値)
- Cost(コスト|負担)
- Convenience(コンビニエンス|買いやすさ・利便性)
- Communication(コミュニケーション|接点)
4Pを顧客視点に置き換えて考えることで、より選ばれる商品に近づきます。
■このステップのゴール
- 商品やサービスの方向性が決まる
- 価格や売り方、プロモーション方針が明確になる
④プロモーション(伝える・広める)
最後は、選んだターゲットに情報を届ける段階です。
プロモーションは実施したら終わりではなく、効果を計測しながら改善する運用がとても重要です。
■この段階で行う分析
- SNS広告の数値分析(表示回数、クリック率、CV率など)
- Webサイトのアクセス解析(Google Analytics)
- A/Bテスト(画像・コピー・LPの比較)
- カスタマージャーニー分析(接触〜成約までの導線確認)
これらを行うことで、「なぜ成果が出たのか?」「どこが課題なのか?」が見えるようになり、PDCAを回していくことが出来ます。
マーケティングに正解はない
マーケティングの世界には、これをやれば絶対うまくいく、という正解はありません。
同じ商品・同じ広告でも、ターゲットが違えば反応は変わりますし、時期や社会情勢によっても結果は大きく変わります。
だからこそ、計画→実施→分析→改善のPDCAサイクルが重要なのです。この繰り返しが成果に繋がる1番の近道です。
- 広告のクリック率が低ければ広告画像を変えてみる
- LPの離脱が多ければ、ファーストビューを調整する
- チラシの回収率が悪ければ、配布エリアや配布日を変えてみる
マーケティングは終わりのない改善活動とも言えます。また、これらの改善案に「絶対の正解」はありません。
最初から完璧なプロモーションを目指す必要はありません。
どんな小さな改善でも、積み重なると大きな成果につながっていくのです。
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