いまさら聞けない、印刷に欠かせない「紙」の基礎知識
ふるさと納税デビューをした松井です。
チラシや冊子、パンフレットなど、日常で目にする印刷物はたくさんありますが、その印象を左右している「紙」について、深く考える機会は意外と少ないのではないでしょうか。かくいう私も、印刷の仕事に携わるようになってから、「紙」が印刷物の仕上がりに大きく関わっていることを知りました。紙の奥深さを感じる一方で、紙についての知識がまだまだ足りていないことも痛感しています。「紙の目って結局何?間違えたらまずいの?」と、疑問に思うことも少なくありません。
そこで今回は初心に返って、印刷に欠かせない紙の基礎知識について整理してみたいと思います。
目次
1.紙の基本的な作られ方と種類の違い
2.紙の目(縦目・横目)
3.縦目・横目を間違えるとどうなる?
4.紙っぽいけど紙じゃない素材
5.紙の種類が多い=表現の選択肢が多い
6.まとめ
①紙の基本的な作られ方と種類の違い
紙の主な原料は、木材から作られるパルプです。木を細かく砕いて繊維状にし、水と混ぜて薄く広げ、乾燥させることで紙が作られます。ここまでは、ほとんどの紙に共通する工程です。では、なぜコート紙やマット紙、上質紙といった違いが生まれるのでしょうか。大きな違いの一つは、紙の表面加工にあります。
上質紙
上質紙は、表面に特別な加工を施していない、いわば紙のベースとなる存在です。インクが紙の繊維にしっかり染み込むため、文字が読みやすく、鉛筆やペンでの書き込みにも向いています。文集、申込書など、「読む・書く」ことを重視した印刷物によく使われます。
コート紙
コート紙は、紙の表面に顔料と接着剤を混ぜた塗料(コート層)を塗った紙です。表面にツヤがあり、インクが紙に染み込みにくいため、写真やイラストをくっきり鮮やかに再現できます。色の発色が良く、視認性が高いことから、チラシ・カタログ・ポスターなど、見た目のインパクトを重視した印刷物によく使われます。
マットコート紙
マットコート紙は、コート紙と同じく、紙の表面に顔料と接着剤を混ぜた塗料(コート層)を塗った紙です。コート紙よりも表面のツヤを抑えているため、しっとりと落ち着いた質感に仕上がるのが特長です。インクが紙に染み込みにくく、写真やイラストをきれいに再現できる一方で、ツヤが抑えられているため読みやすさにも優れています。冊子・パンフレット・会社案内など、上品さや高級感を出したい印刷物によく使われ、長時間読む印刷物にも向いている紙です。
② 紙の目(縦目・横目)
紙には、「縦目(たてめ)」と「横目(よこめ)」と呼ばれる繊維の流れの向きがあります。紙を作る工程で、パルプの繊維が一定方向に並ぶことで、この「目」が生まれます。
- 縦目:紙の長辺方向に沿って平行に繊維が流れている
- 横目:紙の短辺方向に沿って平行に繊維が流れている
紙は、繊維の流れに沿った方向には曲がりやすく、直角方向には曲がりにくいという性質があります。普段はあまり意識されることはありませんが、印刷の現場では、仕上がりや使い勝手に関わるため、紙の目を意識することが重要です。そんな紙の目を簡単に確認する方法をご紹介します。
① 曲げてみる
紙を縦方向・横方向の両方に少しずつ曲げてみて、やわらかく、スッと曲がる方向が繊維の流れ(=紙の目)です。曲げにくく、反発を感じる場合は、紙の目に逆らっている方向になります。
② 破いてみる
紙は繊維の流れに沿って裂けやすい性質があります。繊維の流れに沿った方向は、比較的まっすぐきれいに裂けやすく、繊維の流れと直角の方向では、裂け目がギザギザになりやすいため、違いがはっきり分かります。
③縦目・横目を間違えるとどうなる?
製本した冊子が開きにくくなる
紙の目が背と直角の向きになっていると、ページを開こうとしたときに紙が元に戻ろうとする力が働き、自然に閉じてしまいます。その結果、片手で押さえないと読めなかったり、机に置いてもページが浮いてしまったりと、読み手にストレスを与えてしまう仕上がりになります。
反りや波打ちが起きやすい
紙は繊維の流れに沿った方向と、その直角方向とで、湿気や力の影響の受け方が異なります。紙の目を考えずに加工すると、印刷後や乾燥後に紙が反ったり、端が波打ったりすることがあります。
加工時にトラブルが起きやすい
断裁・折り・ミシン目入れなどの工程で、紙の目が合っていないと、切り口が毛羽立ったり、ミシン目がきれいに切れなかったり、加工精度が安定しない原因になります。また、紙の目と直角方向に折ると、紙がスムーズに曲がらず、折り目が割れたり白くなったりしやすくなります。その結果、折り線がガタつき、仕上がりが粗く見えることがあります。
普段あまり意識されにくいポイントですが、紙の目は仕上がりの美しさや使い勝手、加工の安定性に大きく関わる要素です。印刷物を作る際には、「紙の目」を意識することで、トラブルを防ぎ、より完成度の高い仕上がりにつなげることができます。
④紙っぽいけど紙じゃない素材
印刷物に使われる素材は、木材パルプから作られた「紙」だけではありません。見た目は紙そっくりでも、実は紙ではない素材が使われるケースもあります。
ユポ紙
ユポ紙は、見た目は紙に近いものの、木材パルプではなくポリプロピレン(プラスチック)を原料とした素材です。そのため、一般的な紙とは異なる性質を持っています。ユポ紙の大きな特徴は水に強いことです。水に濡れてもふやけたり、強度が落ちたりすることがありません。そのため、選挙ポスターのように屋外掲示の印刷物で使用されることが多いです。
また、ユポ紙は紙に比べて破れにくく、耐久性に優れています。破ろうとしても簡単には裂けないため、長期間使用する印刷物にも向いています。一時的な掲示物であっても、人の手に触れる機会が多い場合や、繰り返し使うことを想定した印刷物では、ユポ紙が選ばれることがあります。
LIMEX(ライメックス)
LIMEXは、石灰石を主原料としており、木材パルプを使わない「紙の代替素材」として注目されている素材です。環境配慮の観点からも、印刷物に採用されるケースが増えています。
- 製造工程における水の使用量を約97%削減できるため、水資源を守ることに繋がる
- 石灰石を主原料とすることで、プラスチックと比較して大幅にプラスチック使用料を削減できる
といった環境配慮の側面だけではなく、優れた耐久性・耐水性も兼ね備えている素材です。
こうした環境配慮の側面と耐久性を活かし、当社では「エコ×デザイン×訴求力」を兼ねそろえた 「擬似エンボスLIMEXファイル」 を取り扱っています。展示会や説明会、社外向け資料の配布など、手に取る人が多いシーンで使用することで、環境への取り組みを伝えるだけでなく、印象に残すツールとしてご活用いただけます。
⑤紙の種類が多い=表現の選択肢が多い
紙の種類が多い理由は、使われる目的や場面が多様だからです。読むため、配るため、飾るため、残すため。それぞれの印刷物に求められる条件は異なります。
- 写真をきれいに見せたい
- 書き込みやすくしたい
- 長期間保管しても劣化しにくいものにしたい
- 耐水性がほしい
- できるだけコストを抑えたい
こうした要望に応えるため、紙の厚みや表面の仕上げ、原料や素材が細かく分かれてきました。印刷の現場には、「どんな印刷物にも合う万能な紙」というものはありません。写真重視の紙は書き込みには向かなかったり、コストを抑えた紙は高級感の表現が難しかったりと、それぞれに得意・不得意があります。だからこそ、印刷物の目的に合わせて紙を選ぶことが大切になります。
紙の種類が多いと迷う原因にもなりますが、見方を変えれば、それだけ表現の選択肢があるということでもあります。
- どんな印象を持ってほしいのか
- どんな場面で使われるのか
- どれくらいの期間、使われるのか
こうした点を整理することで、印刷物に合った紙が自然と見えてきます。
⑥ まとめ
紙は、ただ印刷できればいい素材ではなく、原料・表面加工・繊維の向き・素材の違いによって、仕上がりや使い勝手が大きく変わります。どんな紙を選ぶかで、印刷物の印象や伝わり方は大きく変わります。用途や目的に合わせた用紙選びから仕様のご提案まで、印刷のことならお気軽にご相談ください^^
当社の実績紹介はこちらから♪
https://www.micg.co.jp/works/
擬似エンボス印刷、ニス印刷、UV印刷や、PP加工などの特殊印刷、特殊加工、表紙加工が得意な印刷・広告会社です。広告、印刷、パンフレット・クリアファイル制作などのご相談はエムアイシーグループまでお気軽にご連絡ください♪
<ページ下部に問い合わせフォームがございます>
↓↓ こちらの記事もご覧ください ↓↓
●季節イベント別!年間販促カレンダーとおすすめ印刷物まとめ【保存版】
https://uv-print.micg.co.jp/entry-345.html
●渡した相手の記憶に残る ~プレミアムクリア名刺とは~
https://uv-print.micg.co.jp/entry-344.html