改版とは?用語の意味や目的、実施の際のポイントを解説
会社案内や商品カタログなど、自社で制作した印刷物の内容が古くなり、情報の差し替えが必要になることがあります。このとき、冊子のすべてを刷新するのではなく、一部のみ情報更新を行うことを改版といいます。改版にあたっては、完了後に不備や不満点を発見するといった事態は避けたいところです。今回は、会社案内や商品カタログなどの印刷物の改版について、必要性やポイントを解説します。
目次
・改版とは
・改版の意義
・改版する際の費用について
・改版のポイント
・ポイントを押さえて満足度の高い改版を
改版とは
印刷物全般の改版について、その意味や、用途、役割、目的を紹介します。
改版とは、文字どおり「版」を変えて新しくすることを指します。現在では「リニューアル」と呼ぶのが一般的です。古い印刷方法の木版印刷では、板目に文字を彫って版材とし印刷する方式がとられ、内容を変えるときは、文字を彫る板(版木)を変える必要があったことに由来しています。
改版が行われるタイミングとしては、内容に改訂があるとき、表現を訂正するとき、関連する法改正があったときなどが考えられます。商業的な印刷物の場合は、装丁を変更し訴求効果を高めることを狙い改版されることもあります。改版を行う主な目的を以下にまとめます。
- 誤字脱字や不適切な表現の改訂
- 表現や説明などを、よりわかりやすく書き直しする
- 法改正や価格変更などを最新情報に差し替える
- より売れやすい装丁に変更する
なお、改版とよく似た言葉に改訂や増刷があります。それぞれの意味は以下のとおりです。
- 改訂:文章の誤りなどの内容を改め正すこと
- 増刷:内容を変えずに印刷すること
上記のような用語についても理解しておくと、より改版のイメージがしやすくなるでしょう。
改版の意義
企業にとって改版をすることには、どのような意義があるのでしょうか。
改版では、以下のような作業が行われます。
⮚ 内容を最新の情報に更新する
組織変更、事業内容の追加といった動きが企業内にあれば、会社案内にそれらを反映させる必要があります。カタログの場合には、価格改定やモデルチェンジ、新しい使用法など、商品やサービスについての情報を更新し、ユーザーにより正確な情報、有益な情報を提供しなければいけません。
配布対象者に対して常に最新の情報を提供するためには、改版をしながら印刷物を新しくしていくことが求められます。
⮚ 品質を担保する
誤字・脱字、誤りを訂正し、エビデンスに沿った表現に変えて、より正確な情報を記載します。印刷物を発行する際には、どれほど注意をしていても、配布する段階になって誤りに気づくことも少なくありません。そういったときに、正誤表を挿入して対応することもありますが、一定の期間を置いて再チェックを行い、改版する方法もあります。
⮚ 不適切な言い回しの排除
時代が変わると、過去の言い回しが適切でないと判断される場合もあります。その時代に合わせた表現に変更することで、時流を確実にとらえようとする企業の姿勢が示されます。現在はジェンダーをはじめ、多くの表現に注意が払われる時代です。基本的な内容が変わらない場合でも、現行の印刷物が不快感や誤解を招いていないかを確認しながら、改版の必要性を随時検討することが大切です。
改版により、上記のような点において印刷物の信頼性を高められます。より正しく新しい情報を提供することで、配布対象者にとっての利便性が向上し、企業の信頼性向上につながります。
改版する際の費用について
改版でかかる費用は、数量、ページ数、修正量、紙の質などによって大きく変動します。
全体の構成から見直す場合には、一からつくり直すのとほぼ同じ時間や手間がかかるため、相応の費用がかかるでしょう。情報量を増やしたい場合は、ページ数を追加したり、形状や綴じ方を変えたりする必要性が出てくる可能性があり、それに伴う費用が発生します。情報の内容をあまり変えずにレイアウト変更する場合でも、デザイン修正を依頼する費用がかかります。
見直す範囲や内容などのさまざまな要素で費用は異なるため、発注前に必ず見積もりをとるようにしましょう。
改版のポイント
改版を行う際に意識しておきたい主なポイントを紹介します。
改版の目的を明確にする
そもそも、なぜ改版が必要となったのかを明らかにしておかなければ、方向性が混乱する可能性があります。目的に従い、追加・変更する情報の検討を行うことが大切です。
改版が必要になる具体的な理由としては、例えば以下のようなことが考えられるでしょう。
⮚ 全体がなんとなく古くさく感じられる
会社案内などの長く使われる冊子の場合、何年も経過すると、見た目が古い印象を与えることもあります。そうした場合には、内容を変えずにデザインレイアウトのみを変更するのもひとつの方法です。
⮚ 情報量が不足している
「今必要なあの情報がない」という場合、印刷物全体のボリュームを増やすのか、費用を抑えるために情報を一部削って差し替えるのかの判断が必要となります。仕上がりのページ数と必要な情報のバランスを見ながら、どのような修正が適当かを検討します。
⮚ ターゲットが変わった場合
商業的な印刷物の場合、ターゲットの変更により、内容を大きく変える必要が出てくることがあります。単に見た目のデザインを変えるだけでなく、訴求効果を確実にするために、伝える言葉も工夫しなければなりません。この場合には、大幅な改版が必要になることがあります。
現行の印刷物の評価を収集する
せっかく費用をかけて改版にのぞんでも、反応や評価がいまひとつでは好ましい結果とはいえません。改版前には社内外に協力を仰ぎ、改版にあたっての参考情報を収集することも大切です。特に見やすさ・読みやすさはレイアウトを決める大きな手がかりになります。広く意見を集め、より良い冊子づくりに生かします。
表現方法に留意する
現代は、よりわかりやすい表現が好まれます。専門用語などが使われていて難しい部分があれば、平易な表現に直す、理解しやすい説明を補足するなどの工夫をして、改版の質を上げます。
現行の印刷物の全体の印象を確認する
改版により印刷物の質を向上させるためには、現行の印刷物を参考にすることが重要です。漢字とひらがなのバランス、レイアウトによる視線の誘導、また説明文に写真やイラストを付加する必要があるかなど、全体の印象を確認しながら作業を進めます。
ターゲットとのズレがないかを再検討する
改版にあたっては、読み手にとって効果的な冊子であるかを再検討することが大切です。改版は、読み手の層に合わせた文字、レイアウト、表現方法、画像となっているのかをいま一度見直す好機にもなります。
レイアウトを再検討する
企業として印刷物を制作する場合、気になるのが他社との差別化です。例えば、会社案内がどれも同じように見えてしまうのは、レイアウトが陳腐化していることが原因のひとつと考えられます。改版を機に、よりインパクトを与えられる効果的なレイアウトへの組み直しも視野に入れたいところです。
ユーザビリティの向上を図る
情報の差し替えや更新などは制作側の意図が優先されがちですが、常に読み手の視点も意識しなければなりません。写真の画質を高めてより鮮明なものに変える、わかりやすくするためイラストや図を挿入する、文字サイズを検討するなど、ユーザビリティに注目した改版が必要です。
なお、改版にともなって配布方法の変更がある場合には、カタログサイズや綴じ方など、印刷物全体の様式についても再検討するとよいでしょう。
ポイントを押さえて満足度の高い改版を
改版はカタログの質を上げ、より鮮度の高い情報を提供するために行います。改版した結果、あとになって不都合な点が多く発見されるようでは、費用と手間をかける意味がありません。改版で変更したい部分を明確にし、確実にレベルアップできるよう、丁寧に作業を進めていきましょう。
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