パッケージデザインで商品の魅力をアップ!差別化のための印刷・加工方法
店頭に陳列される商品のパッケージは、来店者が最初に目にするため重要な訴求ポイントになります。商品イメージを反映したデザインや、色使いがきれいなもの、形が変わったものなどは手に取ってみたくなることでしょう。本記事では、パッケージデザインで知っておきたいこと、ほかの商品と差別化するためのデザインのコツを紹介します。
目次
・パッケージデザインの重要性とその理由
・パッケージの一般的な形状
・パッケージを決める際の注意点
・パッケージデザイン、制作の流れ
・差別化できるパッケージデザインの印刷手法・加工方法
・パッケージデザインは商品の売り上げにも影響を与える
パッケージデザインの重要性とその理由
店頭で見る商品のパッケージデザインは商品の印象、売り上げを左右する重要な要素です。海外のパッケージデザインの変更に関する研究によると、パッケージの色の変更だけでも売り上げに変化があるという結果も出ています。色の変更は消費者の購買意欲にも影響するため、パッケージデザインは売り上げの増減に大きく関係していると言えるでしょう。
日本市場におけるパッケージのリデザインで売り上げに影響を与えた事例を紹介します。
商品リニューアルとともに、パッケージのリデザインにより売り上げを伸ばしたアサヒビールの例になります。1984年代にシェアが10%未満まで落ち込んでしまっていた同社は、看板商品の「アサヒスーパードライ」をスッキリ、爽快なビールという訴求でリニューアルしました。ヒットした大きな理由のひとつとして、苦くて濃いビールよりも、すっきりしたビールを求めていたという消費者のニーズをパッケージデザインのイメージに取り入れたことです。リニューアル後、およそ3年間で20億本を売り上げました。
反対に、パッケージのリデザインによって印象が悪くなった例もあります。そのひとつがコンビニエンスストア「ローソン」のプライベートブランド(PB)が2020年に実施したパッケージ変更です。当時デザインのトレンドであったスタイリッシュなイメージを採用したものの、商品名がローマ字表記で認識しづらく、商品のイメージ写真もなかったため、ひと目でなんの商品かわからないことが主な不評の原因でした。
配色、写真、箱の材質など、パッケージデザインが購入の決め手になる可能性も高いため、購入者の目を意識したデザインでパッケージを制作する必要があるといえるでしょう。
パッケージの一般的な形状
パッケージにはいくつかの種類がありますが、一般的な形状は以下のとおりです。
サック型
キャラメル箱状のパッケージで、箱の上下にフタを差し込む形状です。作成コストはそれほど高くなく、一般的に広く利用されています。比較的軽いものを入れるのに適しています。
スリーブ型
身箱をスライドして開けるタイプのパッケージです。よくあるマッチ箱はこちらの形状が多いです。貴金属や高級ワインなどの高価格帯の商品にも取り入れられます。
ワンピースタイプ
フタと収納部が一体になったタイプです。フタ、開閉する中心部、収納部を厚めの素材で作成することもできます。 宝飾財、時計などを入れるのに向いており、箱に入れたまま展示することができます。
ワンタッチ底
底が抜けないよう糊(のり)付けされているパッケージです。簡素ながら比較的丈夫なため、小物や雑貨などを入れるのに向いています。
地獄底
4枚の紙を組み合わせた形の底です。紙がしっかりと組まれているのでワンタッチ式よりも強度があります。瓶やボトルなどの比較的重いものを入れるのに適しています。
パッケージを決める際の注意点
パッケージのデザインを決める際に特に注意したいポイントは以下のとおりです。
- 傷をつけず中身の保護ができるか
- トレンドを意識した材質か
- 制作コストは適切か
- 商品の価格帯にあった仕様になっているか
- 商品への湿気、熱、光の影響を考慮しているか
- リサイクルができる素材か、環境に配慮しているか
パッケージを決める際は「内容物に合わせる」という点を重視する必要があります。加えて、パッケージの素材、商品との相性、環境に配慮しているかなどを考慮するとよいでしょう。
パッケージデザイン、制作の流れ
パッケージをデザインする際の一般的な流れは以下のとおりです。
1. 顧客へのヒアリング
パッケージ制作の目的や、パッケージで表現したいイメージ、形状、などの必須要件をヒアリングします。
2.企画・デザイン検討
ヒアリングした情報をもとに、店頭に並んだときのイメージ、求められる保護性、商品の重さ、工場から店舗までの配送時のダメージ、制作コストを考慮して、どのようなパッケージを制作するかを企画します。印刷・加工方法についても検討します。
3. 素材選び、デザインを考える
商品の形状、重さ、種類を考慮して使用する紙を選びます。厚み、強度、質感、手触り、色味などを検討し、折り曲げ、断裁といった加工を行う場合は、それに適した素材を選ぶことも大切です。顧客へのヒアリングから得た情報を参照しながらデザインを考えます。
4. ホワイトダミー作成
パッケージ業界では印刷をしないで作成するサンプルのことを「ホワイトダミー」と呼びます。実際の大きさでホワイトダミーを作成し、商品を収納してテストをします。事前に強度や形状、サイズに間違いがないかを確認するのが重要です。
5. 印刷・表面加工
デザインが決定したら、印刷工程に移ります。パッケージの素材を仕入れ、印刷用の版を出力したあと、印刷機で素材に対して印刷を行います。顧客の要望に沿って、UV印刷や箔押しなどの表面加工を加えていきます。
6. 木型を作成し、パッケージの打ち抜きを行う
パッケージ用の木型を作成し、打ち抜きを行います。この工程で不良品がなく正確な形に打ち抜くことで、次の折り畳み、糊で貼る作業をスムーズに行えます。
7. 折り畳み、糊で貼る
パッケージの打ち抜き後、折り目を合わせて折り畳みを行います。パッケージの種類によっては糊付けを行います。
8. 検品
出荷できる水準に達しているか、さまざまな検査項目につき、機械、目視で検査を行います。折り畳み後に最後の検品のほか、出荷前に検品を行うなど、適切なタイミングで行います。
差別化できるパッケージデザインの印刷手法・加工方法
パッケージのデザインで差別化を図るポイントとなる、加工方法について紹介します。
擬似エンボス印刷
擬似エンボス印刷は、特殊な手法でエンボス加工のような仕上がりを再現し、エンボス加工よりも手軽に立体的な印刷デザインを施せます。光沢ニスとハジキニスの2種類のニスを使ってザラザラな質感と光沢のある質感を組み合わせることによって、高級感やセンスの良さを感じさせる仕上がりになります。ポイントやパターンに光沢ニスを使用し、素地をハジキニスでマットにして模様をつくることもできます。
擬似エンボス印刷について詳しくは、「高級感のある印刷・高級感のある加工おすすめ6選のメリットとデメリットを紹介します!」をご覧ください。
UVニス印刷
光沢を出すだけでなく、傷や摩擦から印刷物を保護するため、きれいな状態を保てます。経年による変化の予防にも効果があるので、長期にわたってきれいな状態を保ちたいときのパッケージに向いています。乾燥が早く、揮発性有機化合物、環境ホルモンを排出しない素材なので、食料品や衛生用品のパッケージにも適しています。
UVニス印刷の仕組みについて詳しくは、「UV印刷とは一体なんのこと?UV印刷で可能な手法やメリットデメリットを紹介」をご覧ください。
箔押し
金箔、銀箔などを凸版で印刷物に転写する加工方法です。高級感を演出でき、商品に華を添えられます。金、銀以外にも、ピンク、赤、黄色などの箔を使って印刷することもできます。ホログラム柄の箔を使用すれば、光の角度により見え方が変わるデザインの印刷物をつくれます。
そのほかの特殊印刷や加工について詳しくは、「見た目で楽しめる、特殊印刷・加工で仕上げる個性的な印刷物」もあわせてご覧ください。
パッケージデザインは商品の売り上げにも影響を与える
パッケージによって商品のイメージが変わり、パッケージの変更で売り上げが増減することがあるほど重要な要素になります。パッケージデザインを工夫し、商品の魅力を効果的に伝えてブランド力を高めていきましょう。
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