その一言、実はNGかも!デザイナーとノンデザイナーのすれ違いの正体とは?
みなさん、ご無沙汰しております。
あちゃまるです!
このブログでは、「知れば差がつく企画・デザインの小ネタ」をお届けしています。
さて、今回はちょっと趣向を変えて…
制作現場で頭を抱えたくなる「あの瞬間」について、お話ししたいと思います。
たとえば営業担当者から、ふいに飛んでくるこの一言。
「原稿まだなんですけど、とりあえずデザインだけ先に作っちゃってもらえます?」
「えっ…。」
デザイナーの脳内には、中島みゆきの「時代」が流れはじめます。
決して悪気のない一言。だけどデザイナー的には、なんとも言えない切なさが込み上げる一言なんです。
今回はそんな「知らず知らずのうちにはじまってしまうすれ違い」をそっとご紹介。
知っておくだけでデザイナーとのコミュニケーションが、うんっとスムーズになりますよ。
それでは、よろしくお願いいたします!

目次
・すれ違いの正体は、感覚のズレ?
・実はそれ、デザイナー的にはNGなんです
・おわりに
すれ違いの正体は、感覚のズレ?
デザイナーとノンデザイナーの間には、思った以上に深いカルチャーギャップがあることをご存知でしょうか?
たとえば「似ている/似ていない」という感覚。実はこれ、デザインを専門的に学んできたかどうか、日頃どれだけ視覚的な細部に注意を払っているかどうかによって、大きくズレることがあるのです。
少し昔の話にはなりますが、東京オリンピックのロゴをめぐる「似ている/似ていない」論争が勃発したのを覚えていらっしゃいますか?
あの時、「どう見てもそっくりじゃん!」と感じた方が多かった一方で、デザイナーたちは「まったくの別物だ!」と主張していました。
しかし当時、デザイナー側からの明確な説明がなされず、審査のプロセスも不透明だったことから、「仲間内でかばい合っているだけでは?」と受け取られてしまった側面もありました。
では、なぜここまで大きな認識のズレが生まれたのでしょうか?
その背景には「類似性」に対する感覚の違い、つまりカルチャーギャップが潜んでいると、私は考えています。
こうした認識の違いを理解し合うことは、デザイナーとノンデザイナーのコミュニケーションを円滑に進めるためにも非常に重要なことです。
● 「#」と「井」は似ている?似ていない?
では、もう少し身近な例で考えてみましょう。
記号の「#(シャープ)」と、漢字の「井」って、形だけ見ればよく似ていますよね。でも、私たちはこれを「全然違うもの」と直感的に判断できます。なぜかというと、「#」は記号、「井」は漢字という具合に、意味や使われ方を知っているからなんですね。
でも、もしこの記号や漢字を知らない人、地球の文化をまったく知らない宇宙人がこの2つを見たらどうでしょう?きっと同じものと認識するのではないかと思います。
つまり、「似ている/似ていない」という感覚は、知識や経験、文化的な背景に大きく左右されるということなんです。

● ロゴ問題で浮き彫りになった「説明不足」
東京五輪のロゴの件では、デザイナー側は「似ていない」と主張しながらも、その理由を一般目線で噛み砕いて説明することはありませんでした。
結果、多くの人が「なんでそう言い切れるの?」という疑問を抱き、不信感が強くなったのではないかと思います。
あのやり取りを「村社会の決まりごとを外部に押しつけている」と感じた方もいたかもしれません。
文化的背景が違えば、ものの見え方も変わります。その前提がないままやり取りが進むと、誤解が生まれるのは当然のことなのです。
● カルチャーギャップを埋めるには?
こうしたすれ違いを防ぐには、まず次の3つを意識してみましょう。
1.「似ているかどうか」は、見る人の知識や文化に左右される感覚であること
2.デザイナーとノンデザイナーの間には、見えている景色の違い(=カルチャーギャップ)があること
3.そして何より、お互いの立場を理解し合う努力が必要であること
→ デザイナーは「なぜそうなのか」をできるだけわかりやすく伝える姿勢を
→ ノンデザイナーは「そういう見方もあるのか」と柔軟に耳を傾ける姿勢を
この3つを意識できれば、「似てる/似ていない」の議論は、もっと前向きに建設的に交わせるはずです。

実はそれ、デザイナー的にはNGなんです!
さて先ほどは、東京五輪のロゴ問題を例に挙げながら、デザイナーとノンデザイナーの間にある「類似性の感じ方」のギャップについてお話ししました。
これはつまり、知識や経験、文化的背景の違いによって、同じものを見ても「似ている/似ていない」の判断が大きく分かれてしまうということです。
そして、こうしたカルチャーギャップは、なにも五輪ロゴのような大きな事件に限った話ではありません。実は、私たちの身近な制作現場でも、日常的に起こっているのです。
たとえば、営業担当者とデザイナー。
この両者の間でも、しばしば認識のズレやすれ違いが起きてしまいます。そしてその多くが「デザイナー的には、実はそれNGなんですよね…」という事態に繋がっているのです。
ここでは、そんな「ノンデザイナーが無意識にやってしまいがちなNG行動」を5つ、実際によくあるやり取りとともにご紹介します。
どれも決して悪気があってのことではありません。でも、ちょっと知っておけばお互いに気持ちよくやり取りができて、より良いアウトプットにもつながります。
そんなきっかけになればと思います。
● No.1
「原稿まだなんですけど、とりあえずデザインだけ先に作っちゃってもらえます?」
コンテンツがなければデザインは成立しません。内容に合わせて設計するからこそデザインの力が発揮されるのです。あとから原稿を差し込む方式は、二度手間・三度手間を生みがち。まずはコンテンツを最終形に近づけてから、デザイナーにバトンを渡すようにしましょう。
● No.2
「仕事が完了したら、お客様が編集できるようイラレにしてデータもらえます?」
簡単に編集できるように見えても、デザインの裏には緻密な調整や設計があります。他人がうっかり触ってしまうとバランスも世界観も崩壊してしまうことも…。デザインのクオリティを保ちたいなら、変更も修正もプロに依頼するのがベターです。
● No.3
「違うパターンも何案か作ってください、その中から良いものを選んでもらうので」
何案も見てから決めたい…その気持ちは分かります。でも、どれも本気で作ろうとすれば、それだけ時間と労力がかかります。的確な方向性を定めてから1案に集中する方が結果的に満足度の高いものが生まれるのです。
● No.4
「(他のデザイナーの作品を見せて)これと同じ感じのやつお願いできませんか?」
「参考に」という意味ならOK。でも「同じものを」となると、それは模倣です。著作権の問題はもちろん、デザイナーの倫理的にもアウトです。どこが良いと感じたのかを丁寧に伝えたうえでオリジナルのデザインに落とし込んでもらいましょう。
● No.5
「最初の案が一番良かったですねぇ」
迷いに迷って戻ってくるパターン、ありますよね…。でもその裏で、デザイナーがどれだけ時間と労力をかけて修正を重ねていたか、想像してみてください。最初の案を活かすためにも、変更の際はその目的や背景を明確にしましょう。

おわりに
いかがでしたか?
ノンデザイナーの皆さんを責めたいわけでは決してありません。むしろ、「なんでそんな風に考えるの?」と疑問を持っていただけることが、良いアウトプットにつながる第一歩でもあります。
デザイナーは魔法使いではありません。想いをカタチにするためには、相互の理解と信頼、そしてちょっとした気づかいが必要です。
今回ご紹介したのは、ほんの些細なやり取りかもしれません。
でも、そこにちょっとした違いがあるだけで、最終的なアウトプットは大きく変わるのです。
次にみなさんがデザイナーとやり取りするとき、ふとこの記事を思い出してもらえたら嬉しいです。
それではまた、「知れば差がつく企画・デザインの小ネタ」でお会いしましょう。
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