会社案内で効果を上げる構成の考え方と秘訣とは?
会社案内制作を任されたものの、どのような構成で、どのような内容にすればよいかわからない。そんな担当者もいるのではないでしょうか。会社案内には、反響に影響する3つの基本要素に加え、押さえておきたいポイントがいくつかあります。今回は、会社案内の基本要素と、効果的な構成にする秘訣を紹介します。
目次
・会社案内の反響に影響する3つの基本的な構成要素
・会社案内の構成で押さえておきたい3つのポイント
・より効果のある会社案内にするための構成の工夫
・目的に応じて構成が決まったら用紙や特殊加工でさらなる差別化を
会社案内の反響に影響する3つの基本的な構成要素
どのような会社案内にも共通する、基本となる3つの構成要素があります。順に紹介します。
コンテンツ
ごあいさつ・企業理念・会社概要・事業内容などのコンテンツです。
情報の優先度に従って、ターゲット目線でわかりやすく簡潔にまとめます。ターゲットの期待値を上げられるか、信頼を得られるかを意識するとよいでしょう。
ごあいさつでは、事業を始めたきっかけや現在のサービス・事業へのこだわり、これからの展望など、会社の過去・現在・未来を伝えます。文字数は300文字~500文字程度が読みやすいといわれます。
事業内容では、主な事業・サービスを2~5つ程度にしぼり、それぞれにタイトル・サブタイトル・本文200~500文字程度をつけて紹介します。
必要に応じて担当スタッフに取材し、自社の特徴やこだわり、雰囲気などを引き出すことができると、より説得力のあるコンテンツになります。
USP (Unique Selling Proposition)
USP とは、自社の商品やサービスが持つ、独自の強みです。コンセプトと混同されがちですが、両者には違いがあります。コンセプトが自社目線で見つける自社の強みである一方で、USPは顧客目線で見つける自社の強みです。USPは以下の流れで見つけていきます。
- 現在、会社が力を入れていること、他社と比較して差別化できる強み・特徴を書き出す。
- 1で書き出した内容が、顧客にどのようなメリットや変化を与えられるかを書き出す。
- 1・2で書き出した項目を整理して、短い文にまとめる。
顧客目線で、他社との差別化につながるメリットや変化を考えることが大切です。また、顧客に自社の独自性が伝わるかも考慮します。
注意が必要なのは、USPは時代や社会環境にあわせて変化することです。3年~5年程度を目安に見直すようにしましょう。
クリエイティブ
会社案内の視覚的な部分です。ターゲットに響くデザイン、読みやすい導線設計とレイアウトを意識します。デザインから企業の世界観がきちんと伝わることが大切です。
また、一貫した世界観を効果的に表現するには、CI(Corporate Identity)を、VI(Visual Identity)にもとづき視覚的に展開することが有効です。
CIとは、企業の特性を統一されたイメージで社会に共有し、独自の存在価値を確立していく企業戦略のことです。VIとは、企業のブランドカラー・ロゴデザイン・シンボルマークなど、その企業を視覚的に表現するデザイン要素一式をいいます。
VIの役割は、企業の理念・ビジョン・商品価値などで構成されたCIを可視化して社会に伝えることです。うまくいくと、企業のブランディングに役立ちます。
企業のブランディングの重要性については、以下をご覧ください。
「コーポレートブランディングとは何か?基礎知識と活用、進め方を解説」
会社案内のデザインについては、以下の記事が参考になります。
「会社案内のデザインのポイント!目的や役割、表紙デザインについて徹底解説」
会社案内の構成で押さえておきたい3つのポイント
会社案内を構成する際に、押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
目的を明確にする
会社案内を営業活動に使うのか、採用活動に使うのか、株主向けに作成するのかなどの用途によって、盛り込むべき内容やデザインは異なります。まずは、何を目的に会社案内を作成するのかを明確にしましょう。求職者、見込み顧客、株主などターゲットを具体的に描いて、ターゲットの目を意識した構成で会社案内を制作します。
情報は優先順位をつけて整理する
会社案内は、紙面に限りがあります。限りある紙面いっぱいに多くの情報を盛り込んでも、それが企業目線の内容ばかりでは、ターゲットの心に響きません。会社案内に企業がターゲットに知ってほしい情報を盛り込むことは必要ですが、「ターゲットが求める情報」と「企業が伝えたい情報」とのバランスがポイントになります。
次のような優先順位で、掲載する情報を取捨選択するとよいでしょう。
【優先順位の順】
- ターゲットが求めていて、企業も伝えたい情報
- ターゲットが求めている情報 <ターゲットが求めている、求めていないにかかわらず、成約に関係する情報(※目的が営業・セールスの場合)>
- ターゲットは求めていないかもしれないが、企業が必ず伝えたい情報
企業が必ず伝えたい情報があっても、優先順位が低い3にあたる場合は、掲載の仕方に注意が必要です。専門用語は避ける、伝える内容を絞り込む、画像やイラストを使う、余白を十分にとるなど、ターゲット目線で読みやすさを工夫することが大切です。
専門用語は避ける、画像やイラストを多く使う、余白を十分にとるなど、ターゲット目線で読みやすいよう工夫することが大切です。
競合と差別化する
ターゲットは、競合他社の会社案内も目にすることがあるでしょう。採用目的や営業活動のための会社案内では特に、その印象が結果を左右することもあるため、競合との差別化を図ることがより重要になってきます。可能であれば同業他社の会社案内に目を通して、どのようなデザインか、どのような内容になっているのかなどをリサーチするのもよいでしょう。
より効果のある会社案内にするための構成の工夫
会社案内を制作する際の基本的な構成要素やポイントを押さえたところで、より効果が見込める会社案内にするための工夫を紹介します。
目的別の工夫
会社案内の目的に応じて、次のような工夫をします。
⮚ 営業ツールとして
営業促進ツールとして活用するケースです。提供価値や商品情報を伝えるため、サービス内容や商品の詳細情報の掲載に意識がいきがちですが、それらは会社案内ではなく、カタログやパンフレットで補います。営業ツールとしての会社案内の役割は、ターゲットにどのような企業かを知ってもらい、安心して取引してもらうことです。創業者の想いや、これまでどのような困難があり、どう乗り越えてきたか、現社長が今後についてどのようなビジョンを描いているかなどを伝えます。企業のストーリーを知ることで、ターゲットが親近感や信頼感を覚えることが期待できます。
⮚ 採用ツールとして
人材獲得のためのツールとして活用するケースです。企業の価値観や事業内容を伝えます。学生向けの場合は、業界用語やビジネス用語を避けて、わかりやすい表現にすることが大切です。組織図や社内活動、部門紹介、実際の業務風景の写真や社員の声なども掲載し、社風を効果的に伝えます。
なお、採用ツールは会社案内だけではありません。採用ツールについて詳しくは、下記をご参照ください。
「【採用担当者の方にぜひみて欲しい】採用ツールとは」
「【採用担当者の方にぜひみて欲しい2】採用パンフレットとは」
⮚ ブランディングツールとして
新しい株主や顧客を増やすため、認知度向上のブランディングツールとして活用するケースです。ブランドブックとして企業理念・目指すべき姿・価値観を深く伝え、ブランド訴求を行います。また、内容だけでなく、企業のCIを表現するようなデザインを意識することも大切です。
撮影・取材でコンテンツを充実させる
すでにある情報や画像を集めて、必要な人に原稿を依頼すれば、会社案内を作成できないことはありません。しかし、実際に足を運んで撮影や取材を行うことで、ターゲットの印象に残る、成果につながりやすい情報を入手することができます。
例えば、採用ツールとしての会社案内を作成する場合は、会社の外観や職場風景、一緒に働くかもしれない社員の写真などを掲載すると、親しみやすさを与えられるでしょう。また、社員へのインタビューは、求職者が仕事のやりがいや社風をイメージするのに役立ちます。
以下の記事で効果的な撮影のコツを紹介していますので、あわせてご参照ください。
「印刷物における写真撮影のポイント」
インフォグラフィックでわかりやすく
インフォグラフィックとは、言葉で伝えるのが難しいデータや情報を、わかりやすく視覚化することです。イラストや表、図を使ったインフォグラフィックなら、ひと目で情報が理解できます。文字では最後まで読んでくれないターゲットも目を通してくれる可能性が高まります。
用紙にこだわる・特殊加工を利用する
コンテンツやデザインだけでなく、用紙にも着目しましょう。紙の質感や特殊加工などを生かして、他社と差別化を図ることができます。ニス引きやPP加工、ニス引きを応用した擬似エンボスなどの特殊加工を加えて高級感を出し、ブランドの付加価値を直感的に伝えるのもおすすめです。
目的に応じて構成が決まったら用紙や特殊加工でさらなる差別化を
会社案内を制作する際は、最初に目的とターゲットを明確化し、それらに応じて構成要素を工夫することが大切です。紙面に掲載できる情報は限られますが、多くの情報を詰め込むより、ターゲットに必要な情報を最優先して適切に絞り込めば、ターゲットに目を通してもらいやすい会社案内になります。また、内容やデザインだけではなく、用紙に着目するのもポイントです。紙媒体の特性を生かした用紙選択や特殊加工などによっても、競合との差別化が可能です。
用紙にこだわる際には、以下の記事にヒントがありますので、ぜひご覧ください。
「パンフレットの紙質と用紙選びのポイントや参考情報を紹介」
特殊加工については以下の記事が参考になります。
「ニス引きとは?PP加工との違い、基本手法から応用までを解説」
「見た目で楽しめる、特殊印刷・加工で仕上げる個性的な印刷物」
「カタログ、冊子表紙の表面加工の比較、一覧」
「高級感のある印刷・高級感のある加工おすすめ6選のメリットとデメリットを紹介します!」
また、会社案内の標準的な制作の流れは、以下をご覧ください。
「【初心者向け】会社案内の制作の流れとは?制作時に気をつけるべきポイントをご紹介」
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●【動画付き!】擬似エンボス印刷 制作データ(ニス版)の作り方と、注意点・コツについて
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