コーポレートブランディングとは何か?基礎知識と活用、進め方を解説
ブランディングは企業にとって重要な戦略ですが、そのなかでも企業そのものがブランドとなるコーポレートブランディングが注目されています。今回はコーポレートブランディングとは何か、その基本的な考え方や通常聞かれるブランディングとの関係、具体的な活用や進め方について解説します。
目次
・コーポレートブランディングとは
・コーポレートブランディングを行う目的・得られる効果
・コーポレートブランディングの具体的な進め方
・企業成長と安定につながるコーポレートブランディング
コーポレートブランディングとは
はじめに、コーポレートブランディングとは何か、どのようなブランディングなのかについて解説します。
コーポレートブランディングの概念と事例
コーポレートブランディングとは、消費者や取引先、従業員も含めた社会全体に、自社の商品やサービスだけではなく、「企業自体が価値あるもの」として認識されることを目指す取り組みです。社会や消費者に企業の存在意義を伝え、事業に魅力を付加することで運営の安定化を目指します。
ブランディングの基本的な考え方は大きくふたつに分けられます。商品やサービスのブランドを構築する取り組みであるプロダクトブランディング(商品ブランド)と、企業そのものをブランディングするコーポレートブランディングです。
コーポレートブランディングでよく知られる例に、Apple社が挙げられます。同社が生み出す製品は常に注目を浴び、全世界に熱烈なファンが存在しています。企業そのものにブランド価値があるという点では、非常に成功しているといえるでしょう。
日本の企業では、株式会社タニタがコーポレートブランディングの好例です。体重計をはじめとする計量器メーカーですが、現在ではヘルスケア関連企業というイメージが大きく浸透しています。個々の製品で知られるというよりも、食事や生活スタイルなどを含めた多岐にわたる事業によって、その存在価値を総合的に高めています。
アウターブランディングとインナーブランディング
ブランディングの活動には、アウターブランディングとインナーブランディングの2種類があります。アウターブランディングは、顧客や消費者、社会など企業外部を対象とする活動で、インナーブランディングは、従業員や企業の関係者を対象としています。
インナーブランディングは、企業内において企業理念やビジョンを浸透させ、他社との違いや競争優位性に対する自覚を持たせることにより、内部から企業価値を向上させる活動です。アウターブランディングを成功させるためには、まずは企業内で意識を共有し、自社ブランドを十分に理解できていなければなりません。そうした意味では、インナーブランディングはアウターブランディングの土台づくりともいえます。
自社の「企業としての価値」を明確にし、内外に発信するコーポレートブランディングでも、アウターとインナーのふたつのブランディングを両輪としながら進める必要があります。
インナーブランディングについての詳細は、「ブランディングは従業員から!企業が注目すべきインナーブランディングの効果とは?」をご覧ください。
コーポレートブランディングを行う目的・得られる効果
コーポレートブランディングは企業としてのあり方、事業の魅力を伝えることで、社会での企業価値を高めることが目的です。企業内でその価値感を共有することによって、求心力・結束力が高まり、組織力が強化されていきます。
コーポレートブランディングを実施することにより、以下のような効果が期待されます。
⮚ 市場競争力の強化・競合との差別化
コーポレートブランディングに成功するということは、単に社会的な認知度が高まるだけではなく、企業の存在が唯一無二のものとして受け入れられるということです。企業への信頼感は、商品やサービスを選択する際の基準のひとつとなり、価格競争から一歩抜け出せるようになります。ブランド価値の浸透とともに、永続的なファンが増加し、市場における優位性を確立できるのです。
⮚ 資金調達への好影響
コーポレートブランディングにより企業評価が高まると、投資家や銀行から優良投資先として注目されます。資金調達が有利になることは、新事業展開の追い風となり、企業利益拡大につながる好循環が生まれます。
⮚ 優秀人材の確保
企業としての認知度および企業イメージ向上が実現するため、優秀な人材が集まりやすくなります。企業のミッションやビジョンに共感・賛同する意欲的な人材を確保できれば、入社後のミスマッチによる離脱がなくなるでしょう。
⮚ 社内の意識統一化
コーポレートブランディングにおけるインナーブランディングは、自社の社会における存在意義を社内全体で共有する機会となります。ミッションやビジョンへの理解は連帯感を育み、業務に対する責任感、貢献感を得られるベースとなります。自社を誇りに思うことは、働くよろこびへとつながります。
コーポレートブランディングの具体的な進め方
コーポレートブランディングの企画・設計や施策の実施までの流れとポイントを紹介します。
- コーポレートブランディング実施の目的を明確化
- インナーブランディングに向け、実施について社内への告知・浸透
- 自社ブランドの現状や課題を調査、分析、把握
- ミッション・ビジョン・バリューの明確化、ステートメント(ブランドメッセージ)の策定
- 社名、ロゴ、コーポレートデザイン、タグラインなどの決定
- コーポレートブランド定着・維持のルール策定
- 外部への発信
コーポレートブランディングを成功させるためには、企業の存在意義の根幹となるミッション・ビジョン・バリューを定めておく必要があります。ブランドメッセージが常に一定の方向性をもって発信されるためには、あいまいな表現を避け、具体的にわかりやすく明文化しておくことが重要です。
ブランディング全般にいえることですが、コーポレートブランディングは成果が出るまで時間がかかります。キャンペーンなどとは異なり、短期的に成果の検証ができるものではありません。コーポレートブランディングを成功に導くためにはこの点に留意し、中長期的な計画を立案したうえで、段階的にコーポレートブランドの浸透を図っていく姿勢が求められます。
また、実施のタイミングとしては、リブランディング、事業拡大やリニューアルに合わせて取り組むというケースが多く見られます。既存の戦略の見直しや方向性の再確認などが、コーポレートブランド強化に向けて最適な時期といえます。
例えば、ヤンマーホールディングス株式会社の場合、創業100年を迎えた2012年に、次の100年を見据えたコーポレートブランディングを実施しました。それまでの農業機械の企業という社会的イメージを一新し、世界に通用する建設・エネルギー分野の技術力を前面に押し出しながら、最先端企業としてのブランド力を示すことに成功しています。
企業成長と安定につながるコーポレートブランディング
コーポレートブランディングにより、企業が社会のなかで唯一無二の存在であるという認知を促すことが可能です。顧客や出資者をはじめとする対外的な方面だけではなく、従業員や将来企業の戦力となる採用候補者に対しても好影響を与えるでしょう。ここで注意したいのが、方向性の統一です。異なるチャネルで発信される内容が変わると信頼性が低下し、コーポレートブランディングは成功しません。コーポレートブランディングに取り組む際には、企業のミッション・ビジョン・バリューをしっかりと固めたうえで、それを軸とし、一貫した姿勢で進めていくことが大切です。
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