観光パンフレットの作成時に押さえるべきポイントやコツ
観光パンフレットは読む人の旅心をくすぐり、行動へと導くきっかけとなります。また旅先でのガイド役を務めることもできます。しかし、単に情報を詰め込むだけでは、現地の魅力を十分に伝えるパンフレットにはなりません。「行ってみたい」「役に立つ」と感じさせるためには、要点を押さえて制作する必要があります。今回は、観光パンフレット企画のポイントや構成要素、デザインやレイアウトのコツなどを解説します。
目次
・観光パンフレットの種類と留意点
・観光パンフレットを企画する際のポイントは?
・観光パンフレットを構成する際のコツ
・魅力的な観光パンフレットにするデザインのコツ
・目的に合う魅力的な観光パンフレットを目指そう
観光パンフレットの種類と留意点
観光パンフレットは大きく分けて、観光集客用パンフレットと、来訪者向けのガイドブック用パンフレットの2種類があります。最近では、紙のパンフレットだけではなく、デジタルパンフレットも多く利用されています。
集客用パンフレット
集客用パンフレットの作成で重要なのは、情報量よりもまず目を引くことです。見る・食べる・買うなど、現地に行くとどのような特別な体験ができるかを提示することで、「行ってみたい」気持ちを誘います。
紙のパンフレットには、持ち帰って家族や友人と内容を吟味できるというメリットがあります。パンフレットの情報をもとに、さらにSNSやインターネットで検索する人も多いようです。そのため集客用パンフレットでは、文章量を多くして情報提供するよりも、ひと目で興味を引くデザインを意識したり、二次元バーコードを載せたりしてWEBサイトやSNSへ誘導する工夫をするとよいでしょう。
写真を多く使い、イラストや吹き出しなどで視覚的にわかりやすく親しみやすい誌面にすると、効果が期待できます。いくら紹介内容が優れていても、文字ばかりが目立つパンフレットでは、観光地を魅力的に見せにくいのです。出版側としては多くの情報を盛り込みたくなりますが、手に取った人の立場になって、思わず表紙を開きたくなるような構成を考えます。
集客用のデジタルパンフレットは、キーワードや季節的な話題から検索される、関連情報をたどって閲覧されるといった流入経路が考えられます。流入した閲覧者の興味をさらに喚起できるように、美しい画像や動画を盛り込んでアピールします。
デジタルパンフレットはオンラインでどこからでも閲覧ができ、また詳細情報にリンク付けされていれば、リンクをたどってさらに幅広い知識が得られるのがメリットです。現地の情報サイトと連携して、デジタルパンフレットならではの活用効果が期待できます。
ガイドブック用パンフレット
ガイドブック用パンフレットで重要なのは、現地に不慣れな人にわかりやすく情報を伝え、旅行者が目的を果たせる内容にすることです。旅行者がパンフレットを手に持って歩くことを前提とし、地域情報、アクセス情報のほか、観光地で時間が余った場合のおすすめ情報などを掲載するのも効果的です。
紙のパンフレットは書き込みができるため、行きたい場所にあらかじめチェックしたり、次の予定地までのスケジュールをメモしたりする使い方もできます。また、紙媒体の優れた視認性を活かして、大きな観光マップ(地図)を掲載するのも有効です。行きたい先までどれくらいの距離か、周辺にどんな観光地やお店があるのかを確認出来る利便性を高め、周遊を促します。
一方で、デジタルパンフレットはかさばらず、リンク先から関連情報を入手しやすいのがメリットです。
ガイドブック用パンフレットの場合、より正確な現地情報が求められます。例えば、店舗の営業時間や交通情報などに変更の可能性がある場合には、紙とデジタル双方のパンフレットを連動させて変更を反映します。ほとんどの人がスマートフォンなどの端末を持って旅行すると考えられるため、念のため現地で情報確認をするよううながすのもよいでしょう。
ただし、パンフレットに各店舗や、各観光地の詳細地図を掲載するのは難しいかもしれません。ポイントとなる箇所だけを表記し、二次元バーコード形式にして端末で表示しやすくする、住所を記載して地図アプリで検索しやすくする、といった方法で、より詳細な地図情報を見られるようにするとよいでしょう。
一般的な観光情報に加えて、現地居住者やほかの観光客の声を掲載するのも効果的です。穴場紹介や実用的な参考情報となり、好感度が上がります。
観光パンフレットを企画する際のポイントは?
観光パンフレットを企画する際には、以下のような点がポイントになります。
⮚ ターゲット
同じ観光スポットであっても、ターゲットがおひとり様、ファミリー、カップル、グループ、団体などの層によって効果的な企画内容は異なります。年齢層・属性、人数などを基準にターゲット枠を設定し、アピールポイントを決定します。
⮚ 構成内容
観光パンフレットの用途に応じて、盛り込むべき内容や適切な形状が異なります。例えば、ガイドブック用パンフレットの内容構成は、現地情報の提供、現地で使えるクーポン、現地を巡るスタンプラリー、詳細地図へのリンクなどの内容が考えられます。
地図をメインとする場合は折りたたみ形式にして、拡げて展開できるパンフレットにするとよいでしょう。Webサイトのアドレスを記載して、Webサイトへ誘導するケースも多く見られます。
⮚ 予算
必要な部数、配布先、盛り込みたい内容のボリューム、ターゲットや内容に合わせたサイズ、写真の有無、紙質など、コストに関わる項目を洗い出します。印刷会社に必要な項目を伝えて見積りを作成してもらうのが一般的です。予算が事前に決まっている場合は、予め印刷会社に伝えておくとよいでしょう。
⮚ スケジュール
配布時期から逆算して制作の予定を組む必要があります。例えば、旅行を検討する人が夏休みや年末年始の長期休暇前に計画を考え始める時期を想定し、それに合わせてスケジュールを設定します。
⮚ 設置場所
観光パンフレットを配布する際の設置場所も重要です。例えば、集客用パンフレットは地元以外の場所に設置する必要があります。ターゲット層とのマッチングを念頭に置き、適した設置場所を考えます。ほかにも、20代~30代の女性が対象ならば、同年代層に人気のカフェ、美容室などが考えられます。
ガイドブック用のパンフレットは、現地への旅行を決めた人に役立ちます。旅行代理店の窓口、現地の駅、道の駅、ホテル、観光案内所など、旅行者が手に取りやすい場所を考えて設置します。
いずれの場合でも、誰が何のためにパンフレットを手にするのかを想定して設置することが大切です。
観光パンフレットを構成する際のコツ
観光パンフレットを構成する際のコツを解説します。
⮚ 目的を明確にする
まず、パンフレット作成の目的が集客用か、ガイドブック用かを明確にします。このときに、ターゲットも明確に想定します。
⮚ 旅行者目線で考える
パンフレットは作成側ではなく、読み手である旅行者の目線が必要です。旅行者が求めている情報、あるいは旅行を検討中の人がひきつけられる内容とは何かを追求し、テーマに据えます。
⮚ 入れるべき情報を絞り込む
現地のアピールポイントにとらわれるあまり、本来入れるべき必要な情報が抜け落ちてしまってはパンフレットの役割を果たせなくなります。地図情報・モデルコース・グルメなど、先に必須の基本情報を決めて組み立てるのもおすすめです。
あれもこれも伝えたいという気持ちから、多くの情報を詰め込みたくなりがちですが、読み手の目線で見た場合、逆に魅力がわかりにくくなる可能性があります。何をアピールするのかを明確にして絞りこむことが大切です。特に、読み手の目につきやすい表紙や冒頭の特集ページには、絞り込んだ内容のみを丁寧に伝えましょう。
⮚ 効果的な構成内容を考える
旅行経験者の声のほか、人気店の開店情報や混み具合、不便な場所についての交通案内などは、読み手の満足度を上げる効果的な要素です。
最近では、SNSに掲載できる写真映えする場所が特に人気です。まだあまり知られていない、現地の人だけが訪れる場所があればぜひ取り上げましょう。「田舎ならでは!」「B級スポット」など、あえて自虐的に紹介するのも、今よく使われている手法です。
「モノよりコト」が重視される時代の今、体験コースの人気も高まっています。デジタルパンフレットの場合には、動画による紹介でイメージを喚起することで、関心を集める効果が期待できます。
魅力的な観光パンフレットにするデザインのコツ
続いて、観光パンフレットをデザインする際のコツを見ていきましょう。
⮚ 配色
パンフレットのような冊子では、全体を通じたテーマカラーがイメージを大きく左右します。ターゲットや目的・用途に合わせ、どのような旅行を紹介したいのかによりイメージカラーを決めます。
海ならブルー系、山ならグリーン系が典型的な例ですが、同系色ばかりではインパクトに欠ける場合もあります。一方で、色数が多すぎると統一感が失われます。配色を考える際には、ベースカラー70%、メインカラー25%、アクセントカラー5%の黄金比率を基本として、効果的なパターンを考えるとよいでしょう。
⮚ レイアウト
パンフレットは文字を追って読むような読み物ではないため、細かく区切りすぎないことが大切です。直感的に内容がわかるようでないと、関心を引くことは難しいでしょう。また、詳しい説明をしすぎても、現地でもっと知りたいというわくわく感が薄れてしまいます。あえて抽象的な表現にすることが有効な場合もあります。
⮚ 写真
メインの写真は目立たせて注目を引くため、大きくして強調する必要があります。各観光スポットの雰囲気が伝わるように、小さすぎない画像を配置します。
⮚ 文字
文字量が多いと親しみにくい印象を与える可能性があります。同じ文字量でも、余白が十分にとられていると読みやすいため、説明部分が多くなる場合は余白に配慮します。また、パンフレットの内容に合わせたフォント選びも大切です。例えば、強弱のある線が特徴の明朝体の場合は、高級感や上品さを表現できます。均一な太さの線が特徴のゴシック体は、カジュアルでフレンドリーなイメージを与えます。
文字サイズは小さすぎないこと、また目立たせたい部分とのメリハリを意識します。各種料金、地図など、旅行者にとって特にチェックしたい箇所は、読みやすくする配慮が必要です。
また、海外からの旅行者に向けて多言語でパンフレットを作成する場合は、翻訳した際に文字量が増加することもあるため、さらに注意をして文字量を減らす工夫が必要です
⮚ 紙素材の選び方にも注目
用紙の選び方によってもパンフレットのイメージが変わります。厚みや滑らかさ、表面のつやなど、表現したいパンフレットの内容に合った紙質を選びます。
パンフレット制作の際に参考となる紙素材についての知識は、以下の記事をご参照ください。
「パンフレットの紙質と用紙選びのポイントや参考情報を紹介」
さらに、当社で作成した以下の観光パンフレットのデザインも、ご参照ください。
■西尾市観光パンフレット「くるりん・くるポン」
■岡崎市観光カレンダー
目的に合う魅力的な観光パンフレットを目指そう
観光パンフレットはその目的によって構成内容が変わってきます。例えば、集客が目的の集客用パンフレットの場合は、思わず手に取り、眺めているうちに旅心が刺激される内容が効果的でしょう。現地旅行者への情報提供が目的のガイドブック用パンフレットの場合には、現地で役立つ情報を、見やすい配置で提供しなければなりません。
用途や方向性、ターゲットを軸に、必要な情報が過不足なく掲載された、魅力的な観光パンフレットに仕上げていきたいものです。
なお、観光パンフレットは内容も大切ですが、内容に目を通してもらうためには、まず手に取ってもらえるような「表紙」にすることも重要です。特別感を与えてほかと差別化を図れる表紙の加工については、以下の記事が参考になります。ぜひご覧ください。
「表面加工で販促物に差をつける!表面加工が与える効果とメリットをご紹介」
「カタログ、冊子表紙の表面加工の比較、一覧 」
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