エコパッケージとは?基礎知識や導入のメリットを紹介
大手カフェチェーンがプラスチック製のストローを廃止したり、シャンプーやボディソープ類の量り売りを行う店舗が出てきたりと、脱プラスチックの流れが加速しています。企業が環境に配慮した「エコパッケージ」を採用することも、脱プラスチックの取り組みのひとつです。
今回は、エコパッケージの基礎知識、企業のエコパッケージ導入が環境に与える影響やメリットについて紹介します。
目次
・エコパッケージとは?
・エコパッケージが今、注目される理由
・エコパッケージの工夫と環境に与える影響
・エコパッケージで使われる素材
・エコパッケージ導入のメリット
・消費者に選んでもらい社会へ貢献するためにも積極的にエコパッケージ導入を検討しよう
エコパッケージとは?
エコパッケージとは、パッケージの基本機能はそのままで、環境への負担を軽減するため、リデュース・リユース・リサイクル・リプレイスを考慮したパッケージのことです。
- リデュース:廃棄されるものの量を減らすこと
- リユース:使用後にそのまま再利用ができること
- リサイクル:再資源化し利用すること
- リプレイス:持続可能な原料へ転換すること
エコパッケージが今、注目される理由
今、エコパッケージが注目されているのはなぜでしょうか。世界的な動きを背景に、その理由を考えます。
SDGsやカーボンニュートラルの実現・ESG経営につながるため
SDGsやカーボンニュートラルの実現、ESG経営への世界的な動きが加速しています。
SDGsとは、環境問題や貧困の問題、働き方の改善など、世界共通の課題解決のため掲げられた17の目標です。2015年に国連で採択され、国連加盟国193ヵ国が2030年までに達成を目指しています。そのSDGsにも関連しますが、地球温暖化の問題に対し、日本では2050年をめどに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」の実現を目標に掲げています。
一方、ESG経営とは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)に配慮した経営のことです。企業が社会の信頼を勝ち得るには、環境保護や働き方の改善、公正な経営判断などを重視する姿勢が求められます。
SDGs、カーボンニュートラルの実現、ESG経営の目的は厳密には異なりますが、それに向かって企業が取り組むべき内容に大きな違いはありません。
エコパッケージの作成・採用は、そのいずれにも貢献することから、注目されるようになりました。
世界的な課題の減プラスチック・脱プラスチックに追随するため
プラスチックは生活のあらゆるところで使われていますが、今「海洋プラスチックごみ」「マイクロプラスチックごみ」が大きな問題となっています。
海洋プラスチックごみとは、海へ流れ込んだプラスチックごみのことです。世界では年間800万トンのプラスチックごみが、海に流入しているといわれます。特に、紫外線や波の影響で破砕され5ミリメートル以下になったプラスチックごみを、マイクロプラスチックごみといいます。こういったマイクロプラスチックごみが自然界で分解されるのには、数百年以上かかるといわれています。
そういったことから、減プラスチック・脱プラスチックが世界的な課題となっています。日本でも、2022年4月に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラスチック資源循環法)」が施行されました。
一方で、プラスチックの原料になる石油資源の枯渇が危惧されており、プラスチックから代替素材への転換が必要とされています。
以上のような流れから、プラスチック資源循環への対策が求められ、エコパッケージが注目されるようになりました。
エコパッケージの工夫と環境に与える影響
リデュース・リユース・リサイクル・リプレイスを考慮してパッケージを工夫することで、環境にどのような良い影響を与えることができるのでしょうか。
簡易包装
パッケージを軽量化・薄肉化・小型化して、資源の無駄づかいを防止します。その結果、輸送効率が良くなり、物流エネルギーの削減ができます。また、簡易包装はごみの削減につながり、ごみ処理で発生するコストとCO2を抑制できます。
リターナブル容器や詰め替え包装
リターナブル容器とは、使用後に返却・回収し、洗浄して再利用できる容器です。詰め替え包装はシャンプーやボディソープなどで使われています。
繰り返し使えるので、容器を製造する必要がなく、製造の際に発生するCO2を抑えられます。使用後に容器のごみも発生しません。
分別廃棄しやすい包装や単一素材化
リサイクルでは、資源とごみを分別することで、資源の有効活用ができます。資源をごみと一緒に捨ててしまうと、ごみとして処分されリサイクルができません。
分別廃棄しやすい包装やパッケージの単一素材化は、ごみの分別を容易にします。また、リサイクルでの資源の有効活用にも効果的です。
包装材料の見直し
多くのパッケージで利用されているプラスチックの包装材料を見直して、持続可能な原料へ転換することは、資源や環境の保護につながります。
製造工程の見直し
製造工程を見直したり、環境に配慮した機材を導入したりすることで、製造工程で発生する過剰なエネルギーや、排出されるCO2を抑えられます。
商品への環境情報の表示
エコパッケージで商品を提供する場合、どんな環境配慮をしているかを消費者に伝えることが大切です。環境情報の表示で、消費者は環境に優しい商品の選別ができます。
エコパッケージで使われる素材
プラスチックの代替素材には、さまざまなものがあります。エコパッケージで使われる素材と、環境への配慮、具体的な用途を紹介します。
紙(エコ用紙)
紙は、プラスチックの代替素材になります。紙のなかでも、環境に配慮したエコ用紙ならより環境に優しい素材といえます。エコ用紙は、環境破壊につながりにくい素材や製法でつくられた紙です。その素材には、非木材・間伐材・古紙などがあり、用途は、紙コップ・紙袋・紙箱・紙容器などです。
バタフライカップと呼ばれる、ストローを使わずに飲める紙コップが話題になっています。詳しくは以下をご覧ください。
「【脱プラ推進】バタフライカップのご紹介」
エコ用紙について詳しくは、以下をご覧ください。
「エコな紙とは?再生紙との違いや種類、選定ポイントを解説」
生分解性プラスチック
微生物により水とCO2に分解されるプラスチックです。使用後は、一般ごみとして焼却処理する必要がなく、コンポストで堆肥化処理できます。注意点は、分解に必要な条件がそろわないと、勝手に分解は進まないことです。また、条件がそろっていても、完全に分解されるには数か月かかります。用途は、プラスチック成型品やフィルムなどです。
バイオマスプラスチック
再生可能な生物に由来する資源が原料のプラスチックです。主原料には、トウモロコシやサトウキビのでん粉、トウゴマのひまし油などがあります。バイオマスプラスチックは、原料のもとになる植物の種があれば育てられるため、石油資源のように枯渇しません。また、原材料の植物は、光合成でCO2を吸収するため、CO2の削減にもつながります。用途は、プラスチック成型品やフィルムなどです。
リサイクルプラスチック
リサイクルできるプラスチック製品は、プラマークやPETマークがついているものが対象です。
水平リサイクルは、使用済みの製品を原料にして同じ製品にリサイクルすることです。従来のリサイクルプラスチックでは、別の製品に何度かつくりかえられた後は、ごみとして焼却処理されます。水平リサイクルでは、持続可能なリサイクルシステムができるため、新たな原料が不要です。
リサイクルプラスチックの水平リサイクルには、「ペットボトルからペットボトル」「詰め替えパックから詰め替えパック」などがあります。
寒天
寒天は、包装資材としての活用ができます。貝灰を寒天の粉末に混ぜ、お湯を入れて型に流しこんで、冷凍・解凍・空気乾燥させて製造します。使用後に自然界に流出しても、プラスチックとは違い問題はありません。用途は、フィルムや厚みがあるクッション性の梱包資材があります。フィルムは、粉末や油も包装できます。
竹
プラスチックの代替素材が、バンブーファイバーです。バンブーファイバーは、竹の繊維を粉末にして樹脂で固めたものです。竹は木に比べて成長がとても速く、農薬や化学肥料を使わなくても栽培できます。バンブーファイバーを素材にすることで合成樹脂の使用料が抑えられます。また生産過程でのCO2排出量も非常に少ない量ですみます。燃やしても有害物質が発生する心配がありません。
用途は、プラスチック成型品の代替です。ほかにも、竹の皮を使った容器や、竹を編んだトレー・かごなどもあります。
バガス
バガスは、サトウキビから砂糖を搾った後の残りカスです。古紙を主原料にした紙製の成型品パルプモールドのなかでも、バガスを利用したものをバガス容器といいます。バガス容器は、廃棄処分されるバガスの活用に役立ちます。また、原料が植物由来で、成形するときに接着剤を使用しません。そのため、自然界に流出しても微生物分解されます。バガス容器は、食品容器によく活用されています。
エコパッケージ導入のメリット
エコパッケージを導入する主なメリットは次のとおりです。
SDGsへ貢献できる
SDGsとは、環境保護、貧困問題解決などに関連する世界的な目標で、多くの企業が取り組みに参加しています。エコパッケージの利用は、SDGsの環境保護に関連する目標達成に貢献します。
企業やブランドイメージの向上
環境問題へ取り組むことで、信頼できる会社と認識してもらいやすくなります。企業やブランドのイメージが向上すれば、継続的に商品を購入してもらうことも可能です。
新しいビジネスチャンスの獲得
現在多くの企業・団体が環境保護やSDGsの取り組みに興味を持っているため、エコパッケージの導入により新しい協業パートナーに出会う可能性があります。新しい協業パートナーとの出会いにより、新規事業の創出やビジネスチャンスの拡大が期待できます。
消費者の環境への意識を高めることに貢献できる
企業が環境への取り組みを伝えることで、消費者は環境問題に関心を持つきっかけが得られます。消費者の行動が環境に配慮したものに変革すれば、環境問題の解決につながります。
消費者に選んでもらい社会へ貢献するためにも積極的にエコパッケージ導入を検討しよう
エコパッケージの導入は環境問題に貢献できるだけでなく、ブランドイメージの向上や新たなビジネスチャンスの獲得など、企業にとって多くのメリットが得られます。商品やサービスへのエコパッケージの採用は、消費者の選択要因となり、消費者の環境への意識を高めることにも寄与します。さらには、環境への取り組みを一企業にとどめることなく、いつしか結果として、社会全体の取り組みへと拡大することにつながることも期待できます。
導入がまだなら、ぜひ積極的に検討してはいかがでしょうか?
エムアイシーグループをどうぞよろしくお願いします♪
擬似エンボス印刷、ニス印刷、UV印刷や、PP加工などの特殊印刷、特殊加工、表紙加工が得意な印刷・広告会社です。広告、印刷、パンフレット・クリアファイル制作などのご相談はエムアイシーグループまでお気軽にご連絡ください♪
<ページ下部に問い合わせフォームがございます>
↓↓ こちらの記事もご覧ください ↓↓
●【徹底比較】クリアファイルの素材を徹底比較!紙製やPP製などおすすめ4点
https://uv-print.micg.co.jp/entry-153.html
●ちょっとecoなご提案 「オリジナル紙クリップ」
https://uv-print.micg.co.jp/entry-156.html
●【脱プラ推進】バタフライカップのご紹介
https://uv-print.micg.co.jp/entry-163.html
●【コラム】SDGsエバンジェリストを知っていますか?【SDGs推進】
https://uv-print.micg.co.jp/entry-171.html