エンボス加工のメリットとは？仕組みや特徴について解説
エンボス加工とは、柄や文字を浮き上がらせる加工技術で、紙製の印刷物にもよく用いられます。立体感のある見た目と独特な手触りが特徴です。本記事では、紙製印刷物へのエンボス加工と、特殊な印刷技術で凹凸をつくる擬似エンボス印刷についても紹介します。
エンボス加工
目次
・エンボス加工の主な特徴
・エンボス加工の手法と種類
・エンボス加工のメリットとデメリット
・エンボス加工の特徴を再現できる「擬似エンボス印刷」
・エンボス加工で制作物にこだわりのデザインを
エンボス加工の主な特徴
エンボス加工とは、凹版と凸版を用い、圧力をかけて印刷物への加工方法です。対象の文字もしくは図版を浮き上がらせます。
例えば、ショップカードへ店舗のロゴや、独自の看板商品をエンボス加工で訴求を際立たせたり、名刺やメッセージカードにワンポイントとしてさりげなく活用したりといった印刷物のデザインの工夫ができるでしょう。NTラシャ、パチカなど独特の質感の紙へ施して紙の風合いを生かすといった方法も効果的です。
NTラシャ｜竹尾（https://www.takeo.co.jp/）より
パチカ｜竹尾（https://www.takeo.co.jp/）より
ただし、紙の厚みには注意が必要です。プレスに耐えられるようある程度の厚みがあると良いですが、厚みがありすぎる場合は模様や文字がつぶれ気味に仕上がってしまう、うまく浮き出しができないなど思い通りの加工ができないことがあります。そのほか、加工紙の端が不ぞろいになっている和紙へは加工できません。
エンボス加工の手法と種類
エンボス加工の中でも、いくつかの異なる手法を紹介します。
ローラーエンボス加工
印刷する模様や文字が入ったローラーを使用し、熱と圧力をかける手法です。ローラーの深さや硬さの調整でエンボスの立体感の程度を変えられるため、浅く加工したり、より立体的に浮き上がらせたりといった変化をつけられます。
平板型エンボス加工
印刷する模様や文字が入った平面の金属を使用して、プレスする手法です。凸版と凹版を使い、紙を挟んでプレスをかけて印刷加工することにより、凸版で押した箇所がふっくらと盛り上がって見えます。ローラーエンボス加工と同様に、プレスする強度により、浅い加工、深い加工の区別をつけられます。
デボス加工
凸版、凹版を用いてプレスし、浮き上がらせるエンボス加工とは対照的に加工した箇所がへこんで見せるのが特徴です。箔押しを組み合わせたデボス箔押しという手法もあり、加工を組み合わせてデザインの工夫ができます。エンボス加工でも同様に、箔押しを組み合わせたエンボス箔押しもあります。
そのほかの特殊加工の種類や手法について詳しく知りたい方は以下の記事もご参照ください。
「見た目で楽しめる、特殊印刷・加工で仕上げる個性的な印刷物」
エンボス加工のメリットとデメリット
型を用いる手法のエンボス加工には次のようなメリット・デメリットがあります。
メリット
⮚ デザインに工夫ができる
立体感が出て、印刷した部分の文字や模様を目立たせることができます。また、印刷した部分への加工、印刷していない部分への加工などで雰囲気を変えることもできます。
⮚ さまざまな種類の紙に対応できる
白が際立つ紙、繊維が荒い紙など、紙質によって少しずつ違った印象のデザインにすることが可能です。同じ印刷物でも紙を変えて見せ方のバリエーションを増やす、といった使い方もできるでしょう。
⮚ イメージを損なわずデザインができる
デザインの品質によっては安っぽく見えたり、商品の印象を損ねたりする可能性もあります。エンボス加工をさりげなく取り入れると、商品のイメージを損なわずにデザインの差別化がしやすいでしょう。
デメリット
⮚ コストが高くなる
印刷したい文字、模様ごとに型を用意する必要があります。デザインによっては型が増えるため、コストが増える傾向にあります。
⮚ 細かなデザインには向かない
型を作成する際、細かい文字や柄の再現が難しい場合があります。また、プレスして加工する際にズレが生じる可能性もあるので仕上がりを考慮してデザインを決定しましょう。
⮚ やや耐久性に欠ける
紙を盛り上がらせる加工のため、摩擦に弱いです。特に凸部分に色を付けた場合は、色が落ちる可能性があるので注意が必要です。
エンボス加工の特徴を再現できる「擬似エンボス印刷」
これまで紹介したエンボス加工と似たような加工を再現する「擬似エンボス印刷」を紹介します。エンボス加工のような立体的なデザインを再現しながら、デメリットもカバーした特殊な印刷技術です。
印刷技術を応用し、2種類のニスを用いてUV照射することで、擬似的にエンボス加工のような見た目や質感を実現します。擬似エンボス印刷の詳しい仕組みや注意点については、以下の記事をご覧ください。
「擬似エンボス印刷のしくみと特徴」
「擬似エンボス印刷のメリット～通常カラーの印刷物に比べて編～」
「擬似エンボス印刷」の弱点その②「背割れ」
エンボス加工で制作物にこだわりのデザインを
エンボス加工を用いると、立体的で独創的なデザインが可能です。一方で、手法によっては印刷コストが高くなる一面があります。コストを抑えたい場合は、エンボス加工を擬似的に表現する擬似エンボス印刷を検討するとよいでしょう。カタログ、パッケージ、クリアファイルなどの販促品でデザインに工夫を加えたいと考えている場合は、エンボス加工を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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●高級感のある印刷・高級感のある加工おすすめ６選のメリットとデメリットを紹介します！
https://uv-print.micg.co.jp/entry-210.html
●カタログ、冊子表紙の表面加工の比較、一覧
https://uv-print.micg.co.jp/entry-24.html
●「擬似エンボス印刷」のメリット～他の加工に比べて編～
https://uv-print.micg.co.jp/entry-8.html
