UV印刷とは一体なんのこと?UV印刷で可能な手法やメリットデメリットを紹介
印刷方法を検討したとき、UV印刷という言葉を耳にしたことはないでしょうか。UV印刷は、その名のとおりUV(紫外線)を使用して仕上げる印刷技術です。UV印刷は一瞬で硬化するため仕上がりが早く、さまざまなメリットがあり、立体的に見える擬似エンボス印刷にも使われています。UV印刷の特徴や、ほかの印刷方法との違い、印刷可能な素材などを紹介していきます。
目次
・UV印刷とは
・UV印刷のメリット・デメリット
・UV印刷の用途
・UV印刷なら仕上がりが早くさまざまな素材に印刷できる
UV印刷とは
UV印刷とは、UVインキを使用し、印刷完了と同時にUV(紫外線)を照射してコンマ秒で硬化させる比較的新しい印刷手法です。UV印刷と対照的なのは油性印刷と呼ばれる従来の印刷方法で、この方法ではインキを自然に乾燥させます。UV印刷と油性印刷の大きな違いは、乾燥にかかる時間です。油性印刷の場合は乾燥に時間がかかるため、色移りしないようにパウダーをかけ、あとからパウダーを落とすといった工程が必要ですが、UV印刷ではそのような工程は不要です。
UV印刷を用いることにより、短時間での印刷が可能となりました。短い納期で大量生産が要求される場合に重宝される印刷方法と言えるでしょう。
UV印刷のメリット・デメリット
UV印刷の特徴について、メリット、デメリットの具体例を挙げて詳しく解説します。
UV印刷のメリット
⮚ 色の再現性が高い
UV印刷では、ドライダウン(インキを乾燥させるつれて色のツヤや濃さが変わる現象)が起こりにくいという特徴があります。UV照射でインキを瞬時に硬化させることで、イメージに沿った色(近い色)を表現できます。
⮚ 仕上がりが早い
乾燥に時間がかかる油性印刷に比べて、UV印刷は仕上がりが早いという特徴があります。印刷後、乾燥させる時間がかからないため、すぐに次の断裁、折り加工などの工程に移れるという早さが魅力です。
また、速乾性があることから、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、資源保護のための紙の代替としても注目される合成紙(ユポ紙)など、紙以外の素材にも印刷が可能です。
⮚ UVニス印刷と組み合わせられる
UVニス印刷は、専用のニス液を塗布したあとでUV照射し硬化させる方法です。印刷物の表面を保護し、傷や摩擦などのダメージから守る効果があるほか、プレスコートや油性ニスに比べて、経時変化による黄変をはじめとした色変化の影響を受けにくくする特徴もあります。
UV印刷のインキとニスは相性が良く、ニスを印刷することでツヤが出て印刷物を美しく仕上げられます。そのため、印刷物に掲載する商品やサービスの印象アップに効果的です。パッケージやカタログに高級感を出したいときには、このように傷に強く色の変化が起こりにくい印刷方法が適するでしょう。
⮚ UVインキは重ねて印刷できる
インキを瞬時に硬化させる手法なので、重ねて印刷することで違った質感を表現できます。光沢ニスを使って印刷すればツヤのある質感に、マットニスを使って印刷すればマットな質感になります。
質感が変わるため、ほかにはないオリジナル性を出したい際に活用度の高い印刷方法と言えます。この技術を応用しているのが、擬似エンボス印刷です。2種類のニスを重ねて印刷することにより、立体感を表現できます。
擬似エンボス印刷についての詳細は、以下のページをご覧ください。
関連ブログ:「擬似エンボス印刷とは!?」
関連ブログ:「擬似エンボス印刷のしくみと特徴!」
⮚ 環境に配慮されている
UV印刷に使用されるインキは、VOCと呼ばれるアレルギーや大気汚染の原因となる揮発性有機化合物や、人間を含め生物のホルモン作用に影響を及ぼすといわれる環境ホルモンなどを含みません。乾燥の工程で熱を使用することもないため、環境に配慮した印刷方法だと言えます。
環境に優しい印刷については、下記の記事で詳しくご紹介しています。
関連ブログ:【SDGs推進】地球に優しいNON-VOC UV印刷【エコ印刷】
UV印刷のデメリット
⮚ コストがかかる
UV印刷は、UV専用のインキを使用するため、印刷単価が従来の油性印刷の1.1~1.5倍程度となることがあります。ただし、速乾性があることから印刷の後工程の費用が抑えられるため、総合的なコストを考えた場合、単価が高いとは一概には言えないでしょう。
⮚ 表面が割れやすい
インキを短時間で硬化させているため、印刷面に折加工をした際に背割れが発生しやすい点に注意が必要です。
UV印刷の用途
UV印刷は、通常の紙への印刷に加えて幅広い素材への印刷が可能です。UV印刷のできる素材と活用例を紹介します。
表面加工のある素材への印刷
UV印刷は、インキが素材に染み込まないという特徴があり、従来の方法では印刷が難しかったPP貼り加工された紙や、PET素材などへ印刷が可能です。商品のパッケージ、ショッピングバッグなど、大量に必要な商用の印刷に対応できます。
例えば、商品によって多岐にわたる素材が使用される商品のパッケージではデザインの幅が広がり、独自性を出したい場合やリニューアルする場合のニーズにも応えられるでしょう。
特殊な素材への印刷
UV印刷は凹凸があり、柔らかく乾きにくい和紙、アルミ蒸着紙などの特殊な素材へ印刷が可能です。素材の質感で違いを出したい場合に、UV印刷を用いれば制作の幅が広がります。
アルミ蒸着紙は、メタリックな質感でそれ自体に光沢があるため、印刷してパッケージやカードなどに採用すれば、店頭で目立たせたい場合に効果的でしょう。他にも、カタログやPOP、ポスターなどで印刷部分とメタリックな質感を組み合わせて対比を見せるデザインのような工夫もできます。
衛生面に配慮した印刷
UV印刷は、人体に影響があるVOCを排出せず、油性印刷で印刷後に色移りを防ぐためにかけるパウダーも使用しません。そのため、薬や化粧品、子どものおもちゃなど、衛生面が重要視される製品への印刷に適しています。薬や化粧品のパッケージは、プラスチック素材が採用されることが多いことからも、UV印刷と相性が良いと言えます。
また、UVインキには臭いがほとんどないため、食品のパッケージへの印刷にも適しています。健康への影響を懸念する印刷物の場合は、予め衛生に配慮した印刷方法を選ぶと安心です。
UV印刷なら仕上がりが早くさまざまな素材に印刷できる
UV印刷は、カタログ、手帳の表紙、本のカバー、スマートフォンケースなど、幅広い製品に取り入れられています。速乾性があることや、難しい素材への印刷が可能なことから、オリジナリティのある商品をつくりたいという要望に応えられる印刷手法です。UV印刷に使用されるインキの安全性は日々向上しており、環境にも配慮されていることも魅力のひとつなので、デザインに取り入れてみてはいかがでしょうか。
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