表紙加工の比較④~擬似エンボス VS 特殊紙編~
擬似エンボス印刷 VS PP加工編、擬似エンボス印刷 VS 型抜き加工編、擬似エンボス印刷 VS 箔押し加工編に続いて、今回は「特殊紙」について比較しながら紹介していきたいと思います。
特殊紙と一般紙
いわゆるコピーで使うような上質紙、チラシやカタログで使うコート紙、マット紙などは「一般紙」と呼ばれます。それに対して、色、厚さ、手触り、風合いなど装飾性を高めたものを「特殊紙」と私は呼んでいます。その種類は千差万別ですし、種類の線引きも曖昧で、これは一般紙なのか、特殊紙なのか、はたまた別の名称で呼ぶのかなどは人によって違うことを言われるというのがこれまでの経験則です。
用紙の種類は厚さや色違いも含めれば何万種類とあると言われていたり、世に出回っていても既に廃盤になっている紙も多くあります。
今回は主に、用紙メーカーである「株式会社竹尾」さんが出している特殊紙(ファンシーペーパー)を紹介していければと思います。
ファンシーペーパー(ファインペーパー)
写真は当社にあるファンシーペーパー(ファインペーパー)の見本帖の一部です。
様々なカテゴリで分かれています。印刷業界に10年以上携わっていますが、いまだ使ったことのない用紙だらけです。どの印刷会社さんにも用紙を買う購買担当の人がいて、営業さんが「これと同じ紙で刷りたい」と持ってきた謎のサンプルをもとに、どの紙かを探したりしています。
正直その担当のことを私は神(紙ではありません)だと思っています。先ほどお伝えした通り用紙の種類は何万とあります。そんな中から同じもしくは似た用紙を時間をかけてでも見つけてくれるというのは経験があっても簡単なことではありません。神です。
株式会社竹尾さんが出している用紙は本当に魅力的なものも多く、手触り、風合いなど、印刷物の印象と価値を瞬時に高めてくれます。
デコボコしたエンボスがかかった紙、銀色に輝く紙、お茶などの繊維が入っている紙、石から出来た紙、化学繊維で合成された紙など、奥がとても深く、興味が尽きることはありません。
但し、一般紙に比べ、お高くなりがちなものも多く、「これ、使いたいのに!!」と思っても通らないこともしばしばであります。
「擬似エンボス」との比較(特殊紙)
ではでは今回も「擬似エンボス」と比較をしながらその性能をみてみましょう。
擬似エンボス | 特殊紙 | |
高級感 | 〇 | ◎ |
デザイン性 | ◎ | ◎ |
得意な部数 | 千~十万部程度 | 1部~数万部程度か |
知名度 | △ | 〇 |
価格 | ◎ | △ |
納期 | ◎ | 〇 |
種類 | × | ◎ |
比較表を作ってみたものの、種類が多すぎるため一概には言えないものだということをご了承ください。
一般紙よりも価格が単純に高いという事もありますが、紙の柄や模様の向きやサイズによって用紙の取り都合が悪くなってしまい、結果として高くなるというケースも珍しくありません。
しかし、それを補ってありあまるデザイン性と、高級感があります。特殊紙の種類や適性をどれだけ知っているかで、デザイナーさんの腕も図れるという人もいました。
それだけ奥の深い知識が必要な分野だということですね!
用紙によっては簡単に手に入らないものもあったりします。基本返品不可ですし、発注のタイミングが遅かったり、急な部数の変更で「手配出来ない!」なんてことにならないよう早めの打ち合わせをお願いします。
勿論、当社でもご相談受け付けております♪