表紙加工の比較②~擬似エンボス VS 型抜き加工編~
擬似エンボス印刷 VS PP加工はいかがでしたでしょうか?
今回は「型抜き加工」を比較しながら紹介していきたいと思います。
型抜き加工とは?
PP加工に次いで、冊子・カタログ関係でよく見る加工だと私は思っています。その名前の通り、紙を「型」で「抜く」加工のことです。冊子の他にも、箱や、POP、ラベル、丸うちわ、カード、ハガキ、しおり、タグなど様々な印刷物で使用されています。抜き加工を行う方法で大きく分けて2つ種類があり、「トムソン抜き」と「レーザーカット」とがあります。
トムソン抜き | 木型を使った型で抜く方法で、型抜きといったら現状はトムソン抜きを指すことが一般的だと言われるほど主流の手法です。木型とはベニヤ板に溝を掘って、その溝に鋼の刃物を埋め込んだものです。ですので、そこまで細かい造形は出来ません。抜くだけでなく、押してスジ(折り目)を入れるだけなんていうことも出来ます。 |
レーザーカット | 型を作らずに、レーザーで紙を断裁していきます。非常に細かい造形も可能で、見る人を惹きつけます。しかし、焼き跡(焦げ)が裏面に残ってしまったり、一つ作るのに時間がかかるなど、条件が付いてきてしまいます。 |
「擬似エンボス」との比較(型抜き加工)
では今回も「擬似エンボス」と比較をしながらその性能をみてみましょう。
擬似エンボス | 型抜き加工(トムソン) | 型抜き(レーザーカット) |
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得意な部数 | 千~十万部程度 | 数百~数千部程度 | 数部~100部程度 |
世間の認知度 | 〇 | 〇 | △ |
デザイン性 | 〇 | 〇 | ◎ |
価格 | ◎ | △ | × |
納期 | ◎ | △ | × |
レーザーカットは見た目がとても華やかで素敵ですが、まだまだ作業スピードの性能が上がってきていないため、商業印刷物で見ることは少ないです。
トムソン抜きは、デザイン性については擬似エンボスと同じように無限に近い可能性を秘めているものの、木型(数万円)を作らないといけないという事が価格や、納期に影響をしてきてしまう点がネックかもしれません。
しかし、たとえ印刷をせずとも造形物を表現出来たり、ページをめくらずとも次のページが見えるような仕組みを作れたりなど出来る点は見過ごせません!「絵本」などでも多用されているのはそのためでしょう!
面白いデザインを作るなら「型抜き」と「擬似エンボス」を合わせた印刷物を作ってみてはいかがでしょうか!?
写真は碧南市の市勢要覧。表紙には擬似エンボスで星が描かれ、型抜きで中ページのロケットがチラッと見えるデザインになっていてとてもワクワクさせてくれます♪