「擬似エンボス印刷」の弱点 その②「背割れ」
さて、前回の擬似エンボスの弱点その1「すべる」に引き続き、今回もデメリット=「弱点」をお伝えしておこうと思います。
弱点その2「背割れしやすい」
弱点二つ目は「背割れしやすい」です。これは擬似エンボス印刷の弱点というよりも、オフセットUV印刷の弱点と言うべきでしょうか。普通のカラー印刷物に比べて「背割れしやすい」のです。印刷業界の人には馴染み深い厄介事の一つかもしれません。
そもそも「背割れ」とは?
そもそも「背割れ」とは何かですが、紙の冊子・カタログや、リーフレットなどの折り目部分の用紙が割れることにより、印刷が剥がれ、ひび割れのようになってしまうことです。用紙の地の色である白色がむき出しになってしまっている状態ですので、その折り目部分の印刷色が濃い色であれば濃い色であるほど、より目立ってしまいます。
(余談ですが・・・
本の綴じてある部分を「背」と業界では呼びます。「背表紙」なんて言葉を聞いたことありませんか?)
擬似エンボス印刷は背割れしやすい?
冒頭でも少しお伝えした通り、背割れは擬似エンボス印刷ではなくとも発生します。しかし擬似エンボス印刷はUV印刷という表面をUV照射で乾かすという特性を持った印刷技術で表現をするため、インキが紙にあまり浸透していかず、背割れが起きやすいと言われています。
背割れの原因は複雑
背割れは印刷業界を悩ませる問題の一つで、その原因は、紙の柔らかさ、インキのやわらかさ、表面加工の有無、折り加工の強さ、季節的な温湿度の変化、など様々な要因が重なりあって起きてしまいます。そのため、前回は上手くキレイにいったのに、今回はひどく目立つ・・・。なんてこともまま起きてしまいます。
弱点「背割れしやすい」の対策1「スジ入れ」
印刷会社としての対策は、まず折り加工・製本加工を施す前に「スジ入れをいれる」ことです。実際に折る前に、折り目をつけてあげる感じです。
当社で擬似エンボス印刷をしたもので折り加工が入るものはほぼ全て「スジ入れ」をしてから折り加工をしています。スジ入れをいれることで、完璧には防ぐことは出来ませんが、背割れ具合が軽減されることがあります。
弱点「背割れしやすい」の対策2「デザイン」
もう一つは、究極の方法です。それは「デザインで逃げる」です。スジ入れをしてもどれだけ丁寧に折っても残念ながら背割れは無くすことは出来ません。そのため、背割れが発生してもいかに目立たせないようにするか?に焦点をおいた方法がデザインで逃げることなのです。
例えば「濃い色ではなく、白・グレーなど薄い色を表紙の色に使う」「表紙と裏表紙で色を変える」といった感じでしょうか。当社の会社案内やサンプルもそのあたりを意識して作成しているのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
地元ではエンドユーザーさんを多く抱え、全国でも有数の実績を誇る当社では、こういったトラブルを予防するために事前に相談をすることもできますので、興味を持っていただいた方はぜひ当社までお問合せください。